■筆者にとっての記念すべき第1号
当時RioVolt SP250を導入した筆者が、それに合うコストパフォーマンスの良いイヤフォンを探していたところ、2ch AV板のスレッドにてSENNHEISERのMXシリーズが挙げられており、それがMX400の購入の決め手となった。
当初の予定では最上位機種のMX500を購入するはずだったのだが、残念ながらヤマギワ秋葉原店で売り切れとなっており、仕方なくMX400でお茶を濁すことになったという苦しい経緯がある。
ちなみに当時は現在ほどイヤフォンの情報が揃っておらず(そもそもポータブルオーディオ向けに本腰を入れているメーカーが少なかった)、SENNHEISERのMXシリーズが今では考えられないほど2chで大プッシュされていた状況であった。選択肢の増えた今では、一部の製品だけがプッシュされるような事態は少なくっている。
当時は「日本メーカーの安い価格帯の製品はドンシャリ、低解像度のものばかり」が定説な時代であった。今でも一部の製品群を除いてこの傾向はある。不甲斐ない日本メーカーと決別して海外メーカーに走る行動というのは、やはりマニアやヲタな方々にとっては「俺は違いのわかる人間だ」精神に多大な効果を与え、結果、今ではソフマップやパーツ屋にもSENNHEISER、PHILIPS、KOSS、AKG、SHURE、Etymotic等の製品を見ることができるほど活況を呈している。
筆者もその中の1人であるのは否定のしようがない事実であるが、それとは別に純粋にコストパフォーマンスを追求することを好む性格なことも影響している。例えば日本メーカーで4〜5000円クラスの音が2000円台で楽しめるとあれば誰でも安い方を選ぶだろう。
■ボーカルが前面に出る傾向
視聴機器はAUDIOTRAK OPTOPlayを用いた。当サイトでは断り書きがない限り、以後OPTO Playを用いてレビューをしていく。OPTOPlayを使う利点としては、
1.ヘッドフォンアウトのみのシンプルな外部電源を必要としない純USBオーディオデバイスなので(ハードウェアボリュームすらない)他の機器を接続しての音の加工のしようがない。つまり、誰でも同じ条件で視聴することができる。
2.OPTOPlay自身の音質はM-AUDIO - Audiophile USB等の2万近いデバイスには劣るが、それでも最低限、視聴に耐えうる資質は持っている。
3.60mW×2のヘッドフォン出力を備え、様々なヘッドフォンを駆動できる。
が挙げられる。
ただ、予め断っておくが音質を長々と語るスタンスは当サイトでは取らない。
「何が良い音か」とは個人の嗜好によるもので、例え私が「フラットな音」が良いと思っても、ある人は「低音がもう少しあったほうが良い」と思う可能性があるからだ。
そもそも音質の定義が曖昧なので、「中音域が聞きやすい」、「高音が綺麗」と言った出音の傾向をできる限り分析したいと思う。
さてMX400であるが、中音域、つまるところボーカルが持ち上がって聞こえる傾向にある。これは、それまでドンシャリ傾向のイヤフォンを使用していた人ほどハッキリと認識できるはずだ。
イコライザーで中音域をブーストさせた場合をイメージしていただればわかりやすいだろう。それでいて低、高音域もおざなりになっておらず、全域通してそつなく聞こえる。
ボーカルを何よりも大事にしたい方にとってこれほどマッチした製品もないだろう。
■コストパフォーマンスの高さが光る
イヤフォンを指名買いしたのは初めてであったが、正直これを選んで正解だと思えた。
それほど、出音が良く、RioVolt SP250に付属していたイヤフォンは使用5分で元の箱に帰ってもらったぐらいだ。