2007 年 8 月 17 日

サウンドカード「Aureon 7.1 Space」インプレ


今日ご紹介するのはドイツ「TERRATEC」社の7.1chサウンドカード「Aureon 7.1 Space」です。



こんにちは、montaです。


中古2500円だったのでついカッとなって買ってしまいました。普通の中古相場より2~3000円は安いですよ。

発売は2003年で当時の価格は1万9000円ほどでした。
最高でビット解像度は24bit、サンプリングレートは192KHzにまで対応し、ダイナミックレンジは106dbに迫ります。(A/Dは24bit / 96KHzにまで対応。)




パッケージ裏面。基本的に独語がメイン。




中身はカードとマニュアル類。あとTos-linkケーブルが付きます。



カード全景。




ブラケット。左からピンクがマイク入力、青がライン入力、緑がライン出力、S/PDIF入出力(Optical)となっています。
各アナログ端子は2ch分の信号が流れる一般的なミニピンジャックで、最大で2ch×4つのライン出力 = 8ch ≒7.1chまで出色させることができます。




コントローラはもはや定番とも言えるICEnsembleの「ENVY24HT」
ENVY24HTは、M-AudioのDeltaシリーズにも使われている「ENVY24」からハードウェアミキサーを取り除き、代わりに192KHzにまで対応させたHomeTheater PCを意識したコントローラです。(ENVY24は96KHzまで対応。ちなみに20chものミキサーを持っています。)
IC Ensembleは現在ではVIAに買収されて半ば飼い殺しとも言える状況になっているのが非常に残念です。




DACとADCはWolfson WM8770IFT



基板上で一際目立つ、この白いボックスは富士通高見澤のリレー(NA5W-K)です。
実はフロント2chはこのリレーをPC上のコンパネから切り替えることでヘッドフォン出力にさせることができるのです。
切り替わる際には「カチッ!」と音がしますよ。





増幅用のオペアンプは新日本無線のオーディオ用デュアルオペアンプ4580




カード裏面。
各端子が何の入出力を担当しているのか一目瞭然。




S/PDIF付近にある謎のヘッダピン。「EXTENSION PORT」とあることから何か増設するプランがあったのでしょう。恐らくは同軸デジタル入出力をドーターボードで追加するために設けてあるのではないかと思います。




こちらはXilinx(ザイリンクス)のCPLD(Complex Programmable Logic Device)、「XC9536XL」に接続されている怪しげな「SYSTEM PORT」(基板上の名前)
デバッグ用でしょうか?




さらに意味不明なのがご丁寧にも全端子の末端に設けられているこれらジャンパピン。
3ピン仕様であることから、Rch、Lch、GNDで構成されているのだと思いますが、使い道が思い浮かびませんw
無駄な端子はそこからノイズを拾うことになるので(特にアナログ段では)出来れば必要最小限にして欲しいものです。


続いてはWindows上でのドライバーについて。




各チャンネルの音量が調整できるだけのシンプルなもの。
現在どれくらいの音量が出ているかのモニタリング的な機能はありません。必要最小限な作り。






デジタルはクロックを内部で生成して同期させるか、外部機器と接続させて同期させるか(その場合、カード側はスレーブ動作)選べます。と、言ってもBNCのワードクロック端子があるわけでもなく、単にS/PDIF入出力内部に通っているクロック信号を利用して同期させるだけですが。





標準でASIO2.0に対応していて、コンパネ上からバッファサイズを調整することでさらにレイテンシを低減させることができるようです。




スピーカー出力を7.1ch、5.1ch、4ch、2ch、ヘッドフォンに変更することができます。
先ほども言ったようにヘッドフォン出力にするとカード上のリレーがカチっと切り替わる音がします。




ドライバのバージョンとシステム情報ですね。


で、肝心の音質の方は特にクセの無い出音だと思います。解像度も値段なりに高く感じます。
ヘッドフォン出力に切り替えて、ヘッドフォンを直挿しすると感度の良い機種では若干「サー」というノイズを拾うかも知れません。
しかしノイズと言っても意識しないと判らないレベルなので、実用上はそれほど問題はありません。
もちろんライン出力自体はノイズ無しのクリアな出力なので別途、外部ヘッドフォンアンプを通せばノイズの諸問題は解決します。

RMAAの結果はDigit-Life様のページをご参考にしてください。悪くない数値だと思います。


さて、実はこのAureon 7.1 SpaceはAUDIOTRAKの「Prodigy 7.1」のOEM元だったりします。

AUDIOTRAK(ブランド名)というかEgo-Sys社は基本的にはサウンドカードを自社設計している会社なのですが、Prodigy 7.1に限ってはTERRATECのAUREON7.1の一部仕様を変更して販売しています。

変更点と言っても、単にデジタル入出力が光(Optical)から同軸(Coaxial)に変わっただけですが。全て同一です。

日本の場合は同軸よりも光デジタル端子を備えた機器が多いので(各種ポータブルプレイヤー、ゲーム機、AVアンプ)、それらと接続するのであればAureon 7.1の方が好都合だと思います。


そして、同じ基板ということで当然考えられるのがドライバーの流用ですね。
上記の簡素なAureon 7.1のドライバーと違って、Ego-Sys社のドライバーはとにかく多機能なのが特徴です。
各入出力のモニタリングはもちろんのこと、DirectWIRE 3.0というステキな機能が盛り込まれています。

DirectWIRE 3.0はMME、WDM、ASIO、GSIFといったAPIを超えて各チャンネル間を仮想的に接続(ルーティング)できるDTM的なロジックを提供してくれます。

例えば、メディアプレイヤーで鳴らした音(MME)をASIO対応のソフト(Cubase等)で録音させることができるわけです。
もちろん、メディアプレイヤー(MME)→サウンドレコーダー(MME)も可能ですし、DigiOn SoundでマルチchASIO出力→SONARでKernel Streaming入力(WDM)という芸当もできます。

ですが、やはりそう簡単には流用できないのが世の常。
通常ではAureon 7.1にProdigy 7.1のドライバーを入れることはできません。


抜け道としてはAureon 7.1のEEPROMを……おや、誰か来たみたいだ。こんな時間に誰だろう?


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Filed under: PC,日記 — monta @ 23:59

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