2013 年 5 月 16 日

[レビュー]トレードワークス スターセイバー極太


[最終更新:2013.05.17 AM00:50]



メーカー 株式会社トレードワークス
発売日 2013年04月27日
(ニコニコ超会議2)
定価 1,890円
購入日 2013年05月04日
購入店 ヨドバシ.com
購入価格 1,890円
カラーラインナップ レッド、グリーン、ブルー、ホワイト、オレンジ、パープル、ピンク、イエロー
光源 オレンジ:3W白色パワーLEDx1
ブルー:3W白色パワーLEDx1
電池 単四x3
光量切り替え 3段階
連続点灯時間 2.5~10時間(メーカー公表値)
全長 25cm
重量 128g(電池・ストラップ含む)
※オレンジ キラキラフィルムの場合
ストラップの有無 付属
衝撃だったキンブレ発売から早1年、市販ペンライトの高性能化は未だ留まるところを知りません。
新顔となる「(株)トレードワークス社」より「スター★セイバー極太」が発売されました。


購入したのはオレンジとブルーの2種です。これ以外にレッド、グリーン、ホワイト、パープル、ピンク、イエローの計8色がラインナップされています。
さらにバリエーションモデルとして実は、


SKE48の2013年公式ペンライトとしても実戦配備されています。
最大の特徴は名は体を表すごとく、その圧倒的な太さです。
直径41mmという太さはもはやペンでもブレードでもセイバーでもないだろうという突っ込みを入れたくなるほどです。

ただ、ペンライトは太ければ良いというものではないのは皆さんご存知だと思います。
特に現在の製品トレンドは単純な明るさ競争よりも「発色の追求」に移っている段階です。
例えばサンダー110の赤-緑-青はデフォルトでカラーLEDを採用していますし、キンブレもX10以降はSuperBlue、SuperGreen、SuperTubeという発色を重視したシリーズを展開しています。(開発中のキンブレIIでも「SuperColors」とカラーLED採用をPRしています)
結果から先に述べますと、スターセイバーの発色は大味です。
私としては太さよりも色の凝縮を優先した方が「ペンライトの用途」に適っていると思いました。

それでは順にチェックしていきましょう。


パッケージスキャン(2854×3491ピクセル)



キンブレのパッケージより一回りも大きいです。

■外観■

全長は意外にもキンブレと同じ25cmです。(※厳密には25.3cmぐらいあります。メーカーが25cmと表記しているのでそれに倣います)
発光部は14cmでキンブレより1cm短い代わりに、筒の直径が41mmと大迫力なボディです。



キンブレと並べるとスターセイバーの異質さが際立ちますね。




筒はトレードワークス社が「ダイヤカット」と呼ぶ独特な形状をしています。
このダイヤカットが光を乱反射することで色ムラは少なくなっています(後述)
ちなみに筒だけで33.3gあります。重いです。



先端処理はキンブレ、ルミエース同様に完全密閉式。
キンブレの先端はいぶし銀のような鈍い黒光りをしていますが、スターセイバーの先端はおもちゃのような安っぽい銀メッキ処理です。



電池は他と同様に単四x3本です。


電池フタはキンブレ同様にコインで回すタイプです。
キンブレと左右対称なほど似ています。
(電池交換やテスターを繋ぐために頻繁に開閉する当方としては)そこまで優れた方式とは思えないのでこれを真似する必要はなかったのではないでしょうか。
なお、★★★マークは冷却用の通気口としてほとんど機能していません。(隙間が非常に小さい)



光源のLEDはレンズなしで剥き出しになっています。
これだけリフレクターが大きければ必要ないのかも知れません。



フィルムはキラキラ仕様の他にマットフィルムが標準で同梱されています。


店頭で「キラキラにしようかな、マットにしようかな?」と悩む必要がなくなったのは非常に良いことなのですが、スターセイバーのフィルムは丸まりやすいため一概に喜べる仕様でもありません。



ブルーのキラキラフィルムはパッケージを開ける前から丸まっていましたし、


オレンジのマットフィルムは自重に耐えられなくグニャグニャです。
フィルムが丸まりやすいため隙間から光が盛大に漏れます。


このように斜めから見ると目が痛いです。そもそもフィルム自体の長さが足りていません。



オレンジのキラキラフィルムはキンブレよりも明るいオレンジです。
ラメ感はスターセイバーの方が細かくなっています。


厚みもキンブレのシャイニングオレンジより2倍以上に分厚いです。(ただし、キンブレシャイニングオレンジはフィルムを2枚重ねで使います)



フィルムの重ね目が幅広いので気になるならギリギリまでカットしてください。

■操作性■

電源のON-OFFと光量の切り替えは底面のボタンのみで行います。
ボタンを押す度に「LV3(電源ON)→LV2→LV1→消灯→LV3(電源ON)…」の順で切り替わります。
他ペンライトのように長押し&リリースの必要はなく、押した瞬間に反応します。最速の動作ですが誤動作を防止する仕組みはありません。

なお、どの光量であってもフリッカーは発生しません。

■発色■
まずは色ムラをチェックします。


上からサンダー110オレンジ、スターセイバー極太オレンジ(キラキラ)、キンブレオレンジ(シャイニング)です。
スターセイバーの中間部分はやや暗くなりますが、先端と根元はダイヤカットの乱反射の恩恵で幅広く発光できています。初期キンブレより優秀と言えます。
ただ、斜めから見ると、


先端の裏側が非常に眩しいんですね。左のマットフィルムなんてEVAのEDみたいになっています。

他ペンライトとの比較をしていきます。
■オレンジ■


発色の傾向は以下のとおりです。
黄色に近い←サンダー、SuperTube、スターセイバー、ルミエース、キンブレ→赤に近い
オレンジの定義も色々ありますが、目指す発色がUOや大閃光オレンジであるならば黄色に近い方のペンライトを使った方がいいですね。

■ブルー■


スターセイバーのブルーは白色LEDに厚いフィルタを通して色を再現しているため、青色LEDを使ったペンライトと比べて照度が圧倒的に不利です。
青をメインに使うなら素直にキンブレSuperBlueかサンダー110青を買うことをオススメします。

■照度・消費電流■ 例によって照度は「コンサート用ペンライトの照度比較」ページにまとめていますのでそちらをご覧ください。
LV3ではキンブレLV4より明るくなります。

安定化電源で定電圧動作させた場合の消費電流値をテスターで測っておきました。
光量レベル 4.5V時 3.6V時
LV1 50mA 30mA
LV2 120mA 80mA
LV3 490mA 340mA
LV2→LV3の上昇率が異常です。実際の照度でもLV3が飛び抜けます。
見た目でスグにLV3だとわかるので、意外と使いやすいかも知れません。(そもそも電源ON時はLV3スタートですが)

あとは温度ですが、


室温28℃の部屋にてLV3で30分放置したところ、一番熱い部分で40.8℃にまで達しました。
表面温度でコレだと内部はどうなっているか恐いですね……。

■まとめ■
■良い点
・【極太】という唯一無二の存在感
・フィルムが標準でキラキラとマット両方付属
・色ムラがそこそこ少ない
・フリッカーなし
・オレンジの明るさは実用レベル

■悪い点
・デザイン
・ブルーが白色LEDで再現しているため暗い
・誤作動防止がない
・重い
・フィルムが丸まりやすい
・光漏れする
・排熱が心配(特に夏場)
使い勝手の良いサンダーシリーズ、キンブレシリーズが揃った今、あえてこのスターセイバーを買うかと言われれば微妙なところでしょう。
実用性よりも【極太】という存在感に価値を見出せればアリですが、それは既存のペンライトに飽きた人向けの話であって初心者には勧められません。
去年の夏に発売されていたならば、また話は変わっていたことでしょう。