2013 年 12 月 14 日

[レビュー]単4電池1本で点灯するルミエースライト


[最終更新:2013.12.14 PM23:35]


メーカー 株式会社ルミカ
発売日 2013年12月05日
定価 1,260円
購入日 2013年12月05日
購入店 でらなんなん秋葉原店
購入価格 980円
ラインナップ キラキラ、マット
プリセット色 グリーン、ブルー、ピンク、オレンジ、イエロー、レッド、ホワイト、パープル
光源 フルカラーRGBチップLED
電池 単四電池x1
光量切り替え なし
先端処理 あり(シールド)
フリッカー、色分離 なし
連続点灯時間 5~15時間(メーカー公表値)
※色によって異なる
全長 22cm
重量(電池含む) 約32g(電池、ストラップ含む)
ストラップの有無 付属
定電圧・定電流回路 あり(昇圧型DC-DCコンバータ)
ロット情報 初期ロット:2013年12月~
公式サイト ルミカショップ


ルミカファンの皆さん、お待たせしました。
ネット専売の大電光煌ストロングを除けばルミエースカラーチェンジ版から10ヶ月ぶりの新作ペンライトです。


その名はルミエースライト!
キラキラタイプと乳白色のマットタイプの2タイプがラインナップされています。
洗練されたデザインの六角形パッケージが印象的ですね。



中身が一段落したからか、キンブレIIシリーズと同様に外装にも力を入れる風潮のようです。



なお、パッケージには「30J13MW」というロットナンバーと思われるシールが貼ってありました。
(シャイニング、マットで共通)



フルカラーなので1本あれば全色出せるのですが、安いこともあり8本買っておきました。

■外観■


全長は約22cm、直径は16.5mmです。ほぼ大電光改と同等です。



重量は
キラキラ:33.9g(電池、ストラップ含む)
マット:32.6g(電池、ストラップ含む)
です。キラキラはフィルムシートの分だけ重くなっています。
参考までに大電光改は26.7gでした。ほぼ電池の種類の差です。



外観は大電光改と似ていますが、


電池がLR44×3から単4×1になったのが大きく異なります。
1.5Vの単4電池1本でRGB LEDを点灯させるには何らかの昇圧が必要でして、ルミエースライトは市販ペンライトとしてフリフラの次に昇圧回路を内蔵しました。
これまで実売1000円を切るペンライトには微妙なものしかない現状でしたが、ルミエースライトはこれを打破する新世代の製品です。

また、大電光の外れやすかった電池蓋もルミエースと同様にツメで深く固定するタイプになったので、ライブ中に外れることはないと思います。
サイズは大電光ですが系譜としてはルミエースの支流ということですね。
ただし、明るさはパワーLEDを採用しているルミエース、キンブレ、サンダー系と大差があります。


左はルミエースライト、右がキンブレX10IIです。これでも露出オーバーで撮っているので肉眼ではさらに差が出ます。
つまり、明るさのカテゴリとしては大電光などのボタン電池式に準拠しています。省電力志向なのです。



筒は取り外し可能で、溝穴はマットとキラキラ共通です。ただ、これまでのルミカ製ペンライト(大電光、サインライト)とは互換性がありませんでした。



光源にはレンズがなくチップ型のLEDが剥き出しとなっています。(簡易リフレクタのようなものはあり)



ストラップはLUMICAのロゴ入りが付属しています(長さ調節も可能)
ルミエースまではロゴ無しでした。

■操作性■


スイッチは底面のみです。凹凸が小さいのでやや押しづらく感じました。
点灯消灯は1秒長押しです。ルミエースの点灯2秒から短縮されているのは、ユーザーの声を反映した結果でしょうか。

点灯後はボタンを押す度にグリーン、ブルー、ピンク、オレンジ、イエロー、レッド、ホワイト、パープルの順で切り替わります。派生色を含まない必要最小限の色を厳選したものと思われますが、この順番は何でしょうかね?
色記憶はデフォルトで有効になっており、電池を入れ替えない限り前回消灯した時の色からスタートします。

■発色■
※ロット違い、LEDの個体差により写真と同じ色になるとは限りません。あくまで目安として参考にしてください
まずは色ムラを見ます。


光源付近が明るく先端まで光が届いていません。
大電光もルミスティックもそうですが、レンズなど光学系を工夫すれば全体を光らせることができそうなだけに残念です。コスト重視なのでしょうか。

続いて各色を見て行きましょう。なお、フリッカー(色分離)はありませんでした。
■ブルー■


■レッド■


■グリーン■


色の濃さで言えば単色LED+単色キラキラシートを使っている大電光改が一番です。
ルミエースライトのマットは明るい照明下だと白っぽくなり発色がイマイチとなります。

■パープル■


ルミエースライトのパープルは(#E084E7)

に近い薄い色です。
パープル、バイオレット系の色は青系・赤系のバランスと濃さの組み合わせで好みが分かれるので何とも言えません。

■ピンク■


ピンクの発色は大電光改の鮮やかさが好きな人からすれば不満だと思われます。
これまでフルカラーのピンクと言えばキンブレX10やカラサンのドピンクが主でしたが、ルミエースライトはライトピンクを目指したかのような色ですね。

■オレンジ■


オレンジはカラフルプロよりは濃いです。(その分、色ムラがあります)
大電光改オレンジと比べると、


ファイブミニみたいなオレンジ色になりますのでご注意ください。

■イエロー■


カラフルプロよりは赤くないですが、やはりオレンジに寄ります。
黄色LEDを使った大電光改が一番綺麗だと思います。

■ホワイト■
せっかく同じロットのフルカラーペンライトをたくさん買ったので、今回は「個体差」を見てみましょう。


一番右は大電光改ホワイトです。それ以外はすべてルミエースライト(左から3本はマット、右4本はキラキラタイプ)です。
電池は新品ですが色が異なるのがわかりますか?
LEDには物理的な個体差があって、同じ電流値を流しても全てのLEDが同じ明るさで光るわけではありません。
特にR,G,Bを全てブレンドするホワイトでは色が大きく異なります。
ではどうやってLEDの個体差を吸収するかと言うと、究極的には1個1個マイコンのパラメータを変えることになります――さすがにコストが掛かり過ぎるので現実には各ペンライトメーカーの工夫になりますね。

■分解■
※分解及び改造行為を行ったペンライトは安全性が保証できないためライブ会場に持ち込まないでください。


スマートな分解方法がわからなかったので力技で切断して分解しました。980円じゃなかったら今も試行錯誤していたところです。



基板はLED/マイコン、昇圧回路の2枚構成です。



チップ型のRGB LED。メーカー不明。レンズがないので常に剥き出しです。



マイコンと周辺回路。



電池正極との接触面



DC-DCコンバータICとコイル、タンタルコンデンサ、ダイオードで構成されたシンプルな昇圧回路です。
DCコンの型番まではわかりませんが、サイズ、出力電圧(実測3.56V)的に似たようなものでHOLTEKのHT7737という製品が近いと思われます。

■照度■
※ロット違い、LEDの個体差により同じ電流値、照度になるとは限りません。あくまで目安として参考にしてください
照度の測定方法は「コンサート用ペンライトの照度比較」ページに準拠しています。
1.5V 1.2V
キラキラ マット キラキラ マット
グリーン 14 9 13 9
ブルー 20 14 19 14
ピンク 22 15 20 15
オレンジ 13 9 12 9
イエロー 22 15 21 15
レッド 11 8 10 8
ホワイト 41 29 35 25
パープル 28 20 26 19
電流を多く必要とするホワイト、パープル以外では1.5V、1.2V(充電池)は誤差レベルの照度となります。
次に入力電圧と消費電流値、昇圧後の電圧を測定します。色はキラキラブルーです。
入力電圧[V] 10cm照度[Lx] 消費電流値[mA] 昇圧後[V]
1.5 20 67.9 3.58
1.4 20 59.7 3.58
1.3 20 51.9 3.57
1.2 20 44.2 3.56
1.1 19 40.4 3.55
1.0 17 37.6 3.53
0.9 12 34.2 3.29
0.8 9 29.4 3.08
0.7 7 24.9 3.00
0.6 5 21.6 2.91
0.5 3 18.3 2.81
0.4 2 16.1 2.72
0.3 1 10.1 2.66
0.2 測定不可 7.56 2.54
0.17 消灯 0.06 2.53
こうやって表だけを並べられてもルミエースライトの凄さがいまいちワカラナイと思いますので、今回は耐久テストを行いました。


比較対象は大電光改、ルミスティック、ルミエース(乾電池、エネループ)、カラフルプロ、七色棒FK105、フリフラです。
電池は


LR44がSUNCOM製(千石電商で10個100円)、単4電池がエネルーチェ製(アキバパーツ街で10本150円前後)です。



結果はこの通り。※途中、寝てしまったので一部のペンライトの消灯時間がわかりませんでした。
昇圧回路を搭載しているルミエースライト、七色棒FK105、フリフラは非常に安定した照度を保っていますね。
最初の照度が高い大電光改は急速に息切れをし、2時間後にはルミエースライト以下になります。
LR44×3を並列化しているカラフルプロの持久力はさすがと言った所です。
フリフラが単4二本直列かつ照度も低いのにルミエースライトより早く消灯してしまったのは無線の待機電力を余計に喰っているためと推測できます。

■まとめ■
■良い点
・単4電池1本でコスパが良い&軽い
・昇圧回路搭載で非常に長持ち(10時間は余裕)
・適度な明るさ
・フリッカーが改善
・マット、キラキラ両方ラインナップ
・大電光とは違って電池蓋が簡単に外れない

■賛否両論
・ピンク、パープルの発色は好みが分かれそう
・底面のボタンが押しづらい(個人差)

■悪い点
・先端まで光らない色ムラ
これで色ムラがなければ完璧でした。
「このサイズでフルカラー!」という特徴を活かして、突発イベントに備えるため常に持ち歩いてもいいですね。
また、昇圧回路で電池を絞り取るのでキンブレ、サンダー、ルミエースの交換で余った中途半端な容量の電池を流用する使い方もできます。

オマケ:Twitterにあったリアルルミエースライト
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Filed under: ペンライトレビュー — monta @ 23:33