2009 年 11 月 22 日

マヤカレンダーの終わる日か……映画『2012』


21日から公開のローランド・エメリッヒ監督映画『2012』を見てきました。

こんばんは、montaです。

タイトルの「マヤカレンダーの終わる日か……」はラーゼフォン最終話でのセリフの一部です。
バーベム卿:「私は只、行き着く先を見てみたいだけなのだよ弐神君・・・」
 ラーゼフォンシステムは、MUの世界に私が在った時、私が作り上げたモノだ・・当然だろう?」

弐神:「何百年前の話です? 何千年かなぁ?」
バーベム卿:「何万年だったかな・・それだけ待ったのだよ・・カトゥンの時代が終わる時、ラーゼフォンシステムがこの世界に顕れる約束の日、2012年12月28日を・・」
弐神:「はっ、マヤカレンダーの終わる日か……そのゲームで世界はどう変わるんですかね?」
バーベム卿:「ヨルテオトルへ至った、あの二人次第だよ・・私は只システムを創っただけだ」
皐月章さんのサイトから引用させていただきました。

当時は「マヤカレンダーって何よ?何でそんなもの最終話で突然持ち出してくるのよ?」って思い、ネットで調べていましたが、2002年の時点では「マヤ文明で使っていたカレンダーに2012年以降の暦がない」以上の詳しい情報はなかったと記憶しています。
それが今や”マヤカレンダー”だけで5万件もヒットするのですから、世の中には終末論スキーがたくさんいたものです( ´∀`)

さて、映画2012はそんなマヤ文明が予言した終末を描いた作品です。
なんでmontaがわざわざ公開初日に見に行ったかというと、NHKがクローズアップ現代で取り上げていたからです。
超ゴールデンタイム(PM19:30)にNHK様が大プッシュですよ?
(11月18日のクローズアップ現代「“衝撃”のVFX~ハリウッド席巻する日本人~」)

内容は坂口 亮氏という若干31歳の日本人男性がハリウッドの第一線でVFXを指揮しているというものです。
坂口氏はデジタル・ドメイン社に所属していて、関わった作品は
「タイムマシン」
「トリプルX」
「デイ・アフター・トゥモロー」
「父親たちの星条旗」
「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」
「ライラの冒険 黄金の羅針盤」
「スピード・レーサー」
「ロード・オブ・ザ・リング」
「デイ・アフター・トゥモロー」
「2012」
と、皆が皆知っている超有名作品ばかりです。
しかも、アカデミー科学技術賞まで受賞している名実ともに世界でもトップクラスのCGエンジニアの1人です。
そんな坂口氏の経歴は「ディジタル最前線 Vol.23 ハリウッド映画界でアカデミー科学技術賞を受賞した坂口氏に聞く」をご覧ください。
大学在学中に単身渡米、雑用の下積みから始め、休日は物理シミュレーションのために必要な数学の復習・勉強に費やしていたという努力の人です。

坂口氏が言うには、『水の表現が一番難しい。この浜辺に押し寄せる波は神様でしか作れない。』とのことです。
難しいからこそ、パイレーツ・オブ・カリビアン、ライラの冒険の洪水の表現が評価され、アカデミー科学技術賞を受賞できたのでしょう。
氏の技術は今作「2012」でも遺憾なく発揮され、津波に沈む世界都市をリアルに描いています。
また、氏は水の表現以外にも例えば、たった数秒しかないビルの倒壊シーン1つ取ってみても、「内部の鉄骨の組み方、外部の鉄骨の継ぎ目を考慮し、様々な方向に崩れていくビル」を再現してみたり、街中に舞うはずであろう紙ゴミを追加したり等、非常に細かい描写に定評があることがわかります。

ハリウッドで活躍する日本人は古くからマットペインターなどで目にすることから、元来日本人はこういった職人芸とも言える細かいセクションを担当するのに向いているのかも知れません。

というわけで、ハリウッド映画でありながら根底の技術を支えている人間の1人に日本人がいるというNHK様の大プッシュによりmontaはホイホイと最寄りの映画館に吸い込まれたのでした。もちろん事前に予約して一番良い席をキープです。



まだ公開されたばかりでネタバレをするのもアレなので、なるべく核心は伏せますが、ローランド・エメリッヒ監督作品である以上、ある程度結末の予想は付くと思います。
予告でわかるように地球に地殻変動が起きて、至る所で地震&噴火、そして世界中に津波が押し寄せます。
世界中が水没する場合に「では、どこへどうやって逃げるか?」を考えれば自ずと答えは絞られますよね。聖書にも書いてあります。(残念ながらさすがに宇宙空間には逃げなかったですw)

パニックの表現としては前述の坂口氏を始めとしたハリウッドのVFX技術陣の総力戦で、隆起する地面や波打つコンクリート、倒壊する高層ビル、投げ出される人々、押し寄せる火山灰など片時も足を崩せない凄まじい映像の数々です。

ですが、映像から痛みが感じられないのです。

例えば、例えばですよ??本当に望んでいるかは別として。

・突如出現した亀裂に人が落ちて、間一髪運良くどこかに掴まることができたものの、すぐさま亀裂が元に戻ろうとした場合、当然中にいる人は尋常ではない痛みに苦しみながら断末魔な悲鳴で圧死
・火山弾が当たり、人体の一部が炭化 or 欠損で声にならない声でうごめく
・高層ビルがゆっくりと傾いて上層にいる人間が恐怖に引きつった顔で、力尽きた者からまた1人また1人と空へ振り落とされていく
・ヘリの助けを待っていたら、そのヘリが目の前で墜落してあろうことから自分も巻き込まれてしまう的な二次災害
・運良く生き延びても避難先の劣悪な衛生環境下で次第に病に蝕まれていく

など目を背けたくなるような凄惨な光景というのはこの2012には無いのですよ。
R-15指定すらないエンタメ映画なので仕方がないのですが。
主人公とその周辺人物以外の、その他大勢の一般人なんて「あぁ、なんか水に流されてるなぁ。なんかビルから落ちてるなぁ。なんかキャーキャー言ってるなぁ」ぐらいのレベルでしかなく、ラピュタ王ではないですが、ホントに「人がゴミのようだ」な、としか思えませんでした。

ちなみに日本は首相以外の描写がなく、勝手に終盤に津波で沈んだことにされていました。

とは言え、群像劇モノのパニック映画としては奇をてらうことなくテンプレ的に良く出来てはいました。
登場人物の立場を考えれば、「あぁ、この人は主人公に道を譲って途中で脱落してしまう人だなぁ」とか「この人は最初は私利私欲ばかりで悪そうな人なんだけど、最終的には自己犠牲の精神を身につけてしまう人なんだろうなぁ」とかがぴったり当たるのは気持ちがいいものです。
あとは主人公の娘がかわいいので○


他に気になった点としては、「何でモニターからパソコン(VAIO)まで全部ソニー製なの?」と思ったら、
ソニーピクチャーズの配給でしたw
Filed under: 日記 — monta @ 03:36