2011 年 6 月 2 日

[閃ブレ]DealExtremeの活用法


[最終更新110919]


先日、「ネオンスティックの改悪について」でDealExtremeでしか取り扱っていない特殊なフラッシュライトを紹介したので、ご購入を検討されている方のために自分なりにDealExtremeの使い方をまとめてみました。
!注意!
これは普通の閃ブレでは満足できない方のための記事です。
現在の閃シリーズで満足されている方は読む必要はありません。

ここに書かれている情報を実行した結果により生じた損害について管理人は一切の責任を負いません。
最悪、家が燃えてもそれは自己責任です。
また、DealExtremeにハマりすぎて目的と手段が入れ替わってしまう場合もあります。
・特殊な電池を使うフラッシュライト趣味に目覚めてしまう。
・普通に大閃光やウルトラ○○を買ったほうが安かった etc

DealExtreme http://www.dealextreme.com/とは全世界送料無料でMade in Chinaの怪しいガジェットが安く買えるナイスでジョリーグッドな通販サイトです。(以降DXと略します)
商品の価格は全て送料込みの価格です!

例えば


たった$1.80のBluetoothアダプタでさえ送料無料で買えます。
本日(2011/05/29)のPayPal為替レートで計算すると149円ですよ。
DXの価格を知ってしまったら、アキバのジャンク通りで怪しいグッズを見かけても「あ!これDXで売ってたやつだ!実物のデキが結構イイから後で注文しておこう」となりますw

DXを利用するには次の要素を持っている必要があります。
・海外利用できるクレジットカード
・PayPalアカウント
・電池電圧を測るためのテスター
・義務教育レベルの英語力
・商品が届くのが遅くても待てる忍耐力
・自己解決能力
特に中華ライトは品質にバラつきがあります。初期不良も多めです。
自分で修理できる、もしくは英語で返品できる程度の能力は必須です
(原則的に)クレジットカードを作れない高校生以下の方は残念ですが諦めていただくことになります。
これにてブラウザを閉じてください。
またクレジットカードを持っていても今まで1回も海外利用したことがない場合、クレジットカード会社から利用確認の電話がかかってくることがあります。

PayPalアカウントへ登録する氏名、住所は全てローマ字表記で入力します。
詳しい登録方法は星の数ほど解説サイト様を参考にしてください。
※PayPalアカウントの認証にはクレジットカードの請求書に書かれた4桁の番号が必要になります。
確認に1ヶ月程度かかるのでお早めにPayPalアカウントを開設してください。

また、当サイトでは「閃ブレの代用としてのフラッシュライトを探す方法」について詳しく説明致します。
DXでの注文手続きの方法につきましてはやはり他の解説サイト様をご参考にしてください。
基本的にはカートに入れて、そのままPayPal決済を選択すれば完了です。
参考:7mc.org「DealExtremeで買い物をしてみた」さん



■■■フラッシュライト編■■■

まずはトップページの左メニューから「Flashlights / Lamps」を選択します。



サブカテゴリー画面に切り替わるので「Cree Lights」を選択しておきます。(このカテゴリーが一番商品を選び易い)
ソート方法は「reviews」を選択しておけば無難でしょう(それだけ人柱がいたという証拠)
Cree LightsというのはチップLEDベンダ米CREE社のLEDを採用したライト全般を指します。中華ライトの主流です。

左のサブカテゴリーに並ぶ18650、CR123A……というのは使用する電池の種類です。
大まかに特徴をまとめると次のとおりです。


■18650■
 リチウムイオン充電池
 直径18mm 長さ650mm
 3.7V 2000mAh以上
 ノートPCのバッテリーパックの中身は大体こいつ

■CR123A(別名:16340)■
 リチウムイオン充電池/リチウム電池
 直径16mm 長さ340mm
 3.0Vタイプと3.6V,3.7Vタイプあり 800mAh前後

■14500■
 リチウムイオン充電池
 直径14mm 長さ500mm(単三と同じ)
 3.7V 900mAh前後

■AA■
 普通の単三電池
 1.2V(Ni-MH充電池)、1.5V(乾電池)

■AAA■
 普通の単四電池
 1.2V(Ni-MH充電池)、1.5V(乾電池)
これらの中でフラッシュライトの電源としてよく使われるのは上3つ(18650、CR123A、14500)です。
AA、AAAは「対応している」ライトは多いですが、あくまで「一応光る」レベルの明るさしか確保できないと思ったほうがいいでしょう。パワーLEDをフルパワーで発光させるには電圧が3.7Vも出て大電流も取り出せるリチウムイオン充電池が必要なことが多いです。
(リチウムイオン充電池の選び方はこの記事の後半で解説します)

また、使用する電池の種類によってフラッシュライトのサイズが必然的に決まりますので、とにかく小型のライトが欲しいなら間違っても18650を選ばないことですw


では実際の商品ページを例にあげて、どのスペックをチェックすれば良いか確認していきましょう。

例1として、「$11.82 – UltraFire Cree C3 Flashlight with 2xAA Extension Tube Bundle」を見てみましょう。
小型かつ細みでそこそこ明るいので人気のライトです。



最初に「In Stock: ships in 2 to 4 days」という部分。
これは在庫があるので2~4日以内に発送できますよという意味です。
Typically ships in 4 to 7 days*とあったら入荷待ちなのでちょっと時間がかかります。
どうせ送料無料なのですから先にIn Stockのもの同士でカートに入れてオーダーして、入荷待ちの方を別にオーダーした方がいいでしょう。
※ただし、In Stockと表記があっても実際には品切れだったということもあります。それがDXクオリティ。


次に「Powerd by Cree P4 XR-E emitter」という部分。
これはCree社のP4というランクのLED素子を使っていることを表しています。

「◎ 懐中電灯・汎用ライトを自転車前照灯に – 用語」様によると、明るさのランクとしては
P2<P3<P4<Q2<Q3<Q4<Q5<R2<R3<R4<R5
となっているとのこと。
R5のさらに上にはCREE MC-E、CREE XM-Lという500ルーメン超えのチップLEDがあります。(これらも後で紹介します。)


次に「Takes 1 x 1.2V/1.5V AA, 2 x 1.2V/1.5V AA and 1 x 3.6V AA/14500 batteries (accepted voltage: 0.8V ~ 4.2V)」の部分。
これは使用できる電池の種類と許容電圧範囲です。
UltraFire Cree C3は単三1本もしくは延長チューブを介して単三2本で動作するようになっています。
単三サイズが2本入るからと言って、14500を2本も直列で使うと余裕で7V以上出てしまうため、注意書きとして「** Caution: do not use 2 x 3.6V 14500 batteries or you will burn the light out! **」と書いてあります。こういった細かな注意書きも見落とさないようにしましょう。
電池に関係する部分として、「DX test result: 1300 lux @ 1m (with an Ultrafire 14500 3.6V battery)」という記述も見逃せません。
明るさの単位がライトによってルクスだったりルーメンだったり統一されていないのですが、このC3に関しては「3.6Vの14500を食わした場合において1300ルクスの明るさに達した」という結果が書かれています。つまり1.5Vの乾電池1本やエネループ2本で2.4Vにした場合は1300ルクスよりも暗くなります。


そして「Switch type: 1-mode reverse clicky」の部分。
このUltraFire C3の点灯モードは1-modeつまり単純なON、OFFしかできませんが、中には5-mode持っているライトもあります。(Hi、Middle、Low、SOS点滅、フラッシング点滅が切り替えられる)
たくさん点灯モードを持っていたほうが一見便利に思えますが、ライブだと却って邪魔な機能なのです。
電源をON、OFFするたびに点灯モードが切り替わっていたのでは非常に困りますよねw
Mode Memory機能を持つライトなら電源OFF前のモードを記憶できますが、価格にも響いてきますので積極的に選ぶ理由は少ないでしょう。




ちなみにこれがUltraFire C3の実物です。
14500を使った場合の明るさは申し分ないのですが、ボディが細すぎて(直径20mm)ネオンスティックの台座およびペットボトルキャップに上手く固定する方法を模索しています。

例2として、$19.20 – UltraFire WF-501B MC-E (BIN M) 800-Lumen LED Flashlight (1*18650) を見てみましょう。
公称800ルーメンというスペックに惹かれて買ってしまったライトです。
(実際には800も出ていません。中華ライトのルーメンは話半分程度に見積もっておくといいでしょう)



「WF-501B」という名前はあくまで「ボディ本体の名前」です。DXでWF-501Bで検索すればたくさんのライトが出てくるので判ると思いますが、それらは全て形状は同じでも中のLEDが異なるバリエーションモデルです。
上でリンクしたWF-501BはエミッターにCREEのXLamp MC-E LEDを使うタイプです。
MC-Eエミッターは通常のCREEのチップLEDを4つ組み合わせたものです。


「田」に区切られているのが判ると思います。
消費する電力も4倍です。



商品ページの画像にはライトの直径が載っていることがあるので、閃ブレに使う場合はぜひチェックしておきましょう。
直径30mm前後あればジャストフィットです。



WF-501B MC-Eが現在の私の主力です。
2400mAhの18650充電池だとこれが約1時間半継続しますw
ちなみにWF-501Bや先ほど紹介したUltraFire C3には閃シリーズにあった「フォーカスコントロール」が搭載されていないため、確実にネオンスティック全体を均一に発光させることはできません。
とは言え、根本がやや明るいものの全体的には強烈に発光してくれるのでそれほど不満はないです。

ただ、


電池込みで137gと重たいので長時間降っていると腕が死にます。筋トレしているようなものですからねw
参考までにSG-305:108g、SG-309:66g





■■■リチウムイオン充電池・充電器編■■■
ここではフラッシュライトを使う上で欠かせないリチウムイオン充電池の入手方法について解説します。
やはり充電式の方がランニングコストが段違いに安いです。

左メニューの


[Electronics]から[Batteries]を選択してください。
さらに検索ワードに18650、CR123(16340)、14500を指定することで範囲が狭まります。
ここにリストアップされる電池には充電池だけでなく普通の一次電池も混ざっています。
商品ページに「Rechargeable(リチャージブル)」表記がない電池はホントに充電池かよく確認してください。


次に保護回路の有無を確認しましょう。


保護回路は通常マイナス極側の底面に取り付けられています。(写真参照)
これがあるおかげで過充電、過放電を防ぐことができます。
特にリチウムイオン充電池は過放電に弱く、0.6Vを下回るとセルが回復不能になります。
特殊な事情がない限り、保護回路付きの充電池を選ぶことをオススメします。
検索では「Protected」や「Protection」を付加してください。

※ただし、保護回路の基板が増える分、電池の全長が長くなります。大抵の中華ライトは接点がバネになっているので全長が多少前後しても収まりますが、稀に収まりきらないライトがあります。


さて、どのメーカーのリチウムイオン充電池を買うかですが、私のオススメは「TrustFire」ブランドの充電池です。
参考:◎ 懐中電灯・汎用ライトを自転車前照灯に – Li-ion電池

今のところ、容量詐称もないようですし価格の面でもリーズナブルです。
例えば18650で容量が3000mAhや4000mAhとあったら疑った方がいいでしょう。大抵は商品ページにレビューが載っているので品質に問題ないか見極めてください。
※中華電池全般の傾向として初期不良率は高めです。
例えTrustFire製であっても全く充電できないケースがあります。
不良品はDXに問い合わせれば新しい電池を送ってくれますが、届くまで時間がかかるので予め余分に電池を注文しておいた方が良いです。


つぎに充電器を調達します。
左メニューの


[Electronics]から[Chargers]を選択してください。
リストアップされる充電器には2種類があります。
・あるサイズ専用の充電器
・接点を可動式にしたことで複数サイズに対応した充電器(ユニバーサル仕様)

前者は例えば18650だけしか充電できない充電器、後者は複数サイズの充電ができる充電器(UltraFire WF-188)です。

前者のような専用タイプの方が充電回路がまとも(定電流定電圧)なことが多いので、電池を丁寧に充電するなら専用タイプを買うべきでしょう。(もちろん専用タイプであっても低品質な充電回路もあります)
参考:気の迷い – 海外Li-ion充電器を比べてみた海外Li-ion充電器 part-2

今買うならWF-188でしょうね。


私も持っていますが、ほぼ全てのリチウムイオン充電池に対応しているので使い勝手がいいです。
定電流充電のみのようですが、一応IC制御ですし、電池を痛めることもなさそうです。

※充電器を選ぶ際には必ず次の2点を確認してください。


・AC100V(110V) 50Hz/60Hzに対応していること
・プラグの形状がUS Plugとなっていること

これを満たしていないと日本国内では使い物になりません。


CR123A型充電池について
CR123A型(16450型)の充電池には3.0Vタイプ3.6V, 3.7Vタイプの2種類があります。
3.0Vタイプは既存のCR123A対応機器(カメラやSG-309)で使えるよう低電圧仕様にしたもの、3.6V, 3.7Vタイプはもっぱらハイパワーなフラッシュライト用として作られています。
ただし、表記通りの電圧がぴったり出力されるわけではなく、3.0Vタイプの充電池は3.3V、3.6V,3.7Vタイプでは4.0V近くでています。(充電完了直後はさらに上昇)
SG-309(329)に3.7Vを食わすと、青白い光に発光したと思ったら回路が焼き切れて以降は暗いままになってしまうそうです。

ではSG-309に使いたい場合は、3.0VタイプのCR123A充電池を買えばいいかと言うとそうでもなく、ややこしいことに公称3.0VでもMAX4.2Vも出る電池もあるそうです。


この画像で言えば左のICR123A(所有)はMAX3.6V(平常時3.3V)なのでSG-309で使ってもセーフですが、中央のICR123AはMAX4.2V出ます。右の16340は公称3.6Vで実測は4V近くあります。
つまり、テスターで電池電圧を測ってから使用してくださいということです。この手の電池は実際に何V出るかワカリマセン。

そしてさらに重要なこととして、3.0Vタイプ、3.6V, 3.7Vタイプで充電器が異なります

充電で掛ける電圧が異なるのですから充電器も違います。
3.0V/3.6Vに両対応した充電器を買ってください。


バッテリーチェッカーについて


3.5″ LCD Digital Battery Power Level Testerというデジタル表示のバッテリーチェッカーが$4.45で売られているのでぜひ1つ用意しておきましょう。

普通のテスターがあればバッテリーチェッカーは不要ではありますが、いちいちプローブを当てるのが面倒なのですよ。
その点、こういったバッテリーチェッカーは挟めばいいだけなのでラフに扱えて便利なのです。


リチウムイオン充電池は長期保管する際の電圧が大事で、100%や10%だとセルが高速で劣化してしまいます。
なので電圧の定期的なチェックは欠かせないのです。

参考:標準的なLi+セルのOCV特性データ
Capacity (%) OCV (V)
100 4.177454
95 4.129486
90 4.085934
85 4.045427
80 4.008118
75 3.974769
70 3.945074
65 3.917968
60 3.884009
55 3.841219
50 3.820965
45 3.805737
40 3.79325
35 3.783504
30 3.775129
25 3.762185
20 3.741018
15 3.7098
10 3.686654
5 3.674776
0 3.305545
(出典:開放電圧(OCV)をベースとした残量ゲージを用いるリチウムイオン(Li+)セルの特性評価 – Maxim)



ちなみにこのバッテリーチェッカーは標準では18650のサイズに対応していません。



分解して内部のツメを切除してやれば18650を測れるようになります。ツメを失ったためグラグラしてしまいますが、そこはトレードオフです。


リチウムイオン充電池のタブー


絶対に分解しないでください。
画像の18650は誤って完全放電させ電池として使えなくなったものを、興味本位に剥いたものです。
負極と正極がショートすると激しい火花が散って、燃え出しました
正直、死を覚悟しましたよ……。
最悪これで家が燃えても当方は一切の責任を負いません。



また↑の写真のように被覆の一部が破れてしまった場合でも即刻使用を中止してください。ライブ中にライトの中でショートされたらさらに大惨事です。


「商品をカートに入れてから購入するまでの方法がワカリマセン」という質問があったので、リクエストにお応えします。

※より詳しい解説は7mc.org「DealExtremeで買い物をしてみた」さんを御覧ください。



DXアカウントにログインしている状態で、「PayPal Standard Checkout」を選択します。
DXアカウントを作成しなくてもPayPalアカウントさえあれば購入できますが、注文履歴や発送状態を確認したいときにDXアカウントがあれば簡単に現在の状態を確認できます。ぜひ作ったほうがいいでしょう。
また、「Express Checkout」を選ばないのは以前、決済の途中でエラーになってしまったことがあったからです。Expressでも問題なく完了することもあるので、どうもDXからPayPalへの通信が安定していないときがあるようです。
※ExpressもStandardも商品の総額は同じです。決してExpressが速達サービスというわけではありません。



PayPalのログイン画面に切り替わるので、事前にローマ字で登録しておいたPayPalアカウントにログインします。




ご自分の住所氏名、日本円での支払い総額を確認した上で一番下の「PayNow」ボタンを押します。




再度画面がDXに切り替わり、Receipt番号が発行されれば決済完了です。お疲れ様でした。
登録してあるメールアドレスにも注文書がPayPalとDXから届いているので確認しておきましょう。


[追記2011-09-19]
WF-501Bとネオンスティック台座との固定方法についての質問が多かったので、追記します。



WF-501Bボディを使う上でネックになるのは↑の波打った先端です。
ビニルテープのみで固定するといささか不安定で、例えキツく巻いたとしてもライトの発熱でテープが伸びて取れてしまうことがあります。

そこで利用するのは先端処理にも使う「アルミテープ」です。


アルミテープを下地として巻きつけます。
アルミテープはLEDライト程度の発熱では変形しない強固な性質を持っていて、かつ「安い」ので補強材としては最適です。



アルミテープで下地処理をした上にビニルテープを巻きつけます。
アルミの硬度とビニールの弾性力を併せ持つことでライブ中はビクともしなくなります。
当サイトでは普通の閃ブレを作る際にもアルミテープで下地処理をすることを推奨しています。


※参考にしたサイト:
『◎ 懐中電灯・汎用ライトを自転車前照灯に』
『気の迷い』