2011 年 6 月 30 日

BTキーボード:「CECH-ZKB1JP」(SONY) レビュー




※追記 初期型のCECH-ZKB1JPには不具合があります。詳しくは以下を御覧ください。
CECH-ZKB1JPは何故回収されないのか




型番:CECH-ZKB1JP
メーカー:ソニーコンピュータエンタテインメント
種別:ワイヤレスコンパクトキーボード
キースイッチ:パンタグラフ?
無線方式:Bluetooth 2.1+EDR
BTプロファイル:HID
電源:単三x2
連続動作時間:約3日(8時間x3)

発売日:2011年6月30日
定価:5000円
寸法:290.0×25.0×120.4mm
質量:約470g(電池含む)
オフィシャルサイト
昔からコンシューマゲーム機の周辺機器というのは、PCの同価格帯の製品と比べて「値段の割に高性能」というのが定番でした。
PS2、Xbox時代にはプロトコルもUSBとなりPCから利用する敷居は格段に低くなりました。
例えば、
・EyeToy……640×480 30fpsのWebカメラ
・PlayStation Eye……640×480 60fpsの高性能Webカメラ
・Xboxコントローラー……フォースフィードバック付きコントローラ
・XboxDVD再生キット……PC用リモコン
・シーマイクコントローラー……USBオーディオ(マイク)付きコントローラ
・Wiiリモコン……無線マウスなど
・Kinect……超高性能モーションキャプチャデバイス
などが挙がります。

さて、このCECH-ZKB1JPは本来PS3向けのキーボードです。
PS3を起動できるPSボタンやコントローラーのショートカット(△□×○など)、スティックポインタ、左クリック右クリックを備えていて、コンパクトながらも中身は非常にパワフルです。

では、PCで利用した場合の使い勝手はどうでしょうか?
順に見ていきます。




箱裏、中身共に「このキーボードはPS3専用ですよ」とても言いたげな雰囲気です。
説明書に目をやると、


裏面に小さく『ワイヤレスキーボードを他製品で使う』という説明がありました。
ただし「本製品を他の製品にペアリングすると、それまで使っていた製品とのペアリングは解除されます。この場合は、もう1度ペアリングが必要になります。」と書いてあることからマルチペアリングには非対応だと読み取れます。
元々がPS3向けの製品なので贅沢は言えませんが、スマフォなどbt機器が爆発的に増えている昨今では残念な仕様ですね。




全景。エッジレスなので非常に引き締まっているように見えます。

他のパンタグラフキーボードと比較


上からCHERRYのストリーム、FILCOのエクセリオ、サンワのSKB-SL09
(テカっているのはそれだけ愛用していた証)

やはり格段に小さいです。
一応、キーピッチとしては19mmを確保しています。(一部キーを除く)



電源としては単三x2を使用。付属の電池は当然ながらSONY製です。
DC 3V 150mAとあることからとんでもなく消費電力が高いことが伺えます。有線USBキーボードと同等かそれ以上です。
※実際に使ったところ3日も持ちませんでした。設計者は何を考えているのでしょうか?




真っ平らです。ツルペタです。絶壁です。




左下にはSONYロゴ。VAIOのキーボード的な雰囲気ですね。



上側面にはPSロゴ。
キーボード全体の傾斜を調節する機構は備わっていません。



スティックポインター。ちょっと垂直すぎる気がします。



左クリック、右クリック。
小さすぎて、傾斜もないので押しやすいとは言えません。



矢印キー。小さすぎる! ただ救いは←と→キーの上には何もないので、形状を指ざわりで判別しやすく、意外と押し間違えは少ないです。慣れでしょう。手が大きい人は苦労するかも知れません。



PSキーはPS3コントローラーの同ボタンと同じ役割をします。
隣にあるランプはペアリング先を探している間は点滅、ペアリングが完了すると常時点灯になります。




ファンクションキーに割り振られた各種ボタンはPS3の同ボタンと同じです。
ただ、実際にこれでゲームをしようとする人がいるかは知りません。



montaが一番気にするエンターキー周りのキー配列は奇跡的にまともです。

さて、外観はこの辺にしてPCに接続します。


使用したBTレシーバーは
DXで送料込み$1.80だったものです。




Win7なら「デバイスとプリンター」を開き、右クリック→「デバイスの追加」でキーボードのペアリングボタンを押すだけです。
ペアリングコードを入力すれば後は自動でキーボードのドライバが読み込まれます。

自動で読み込まれるドライバ


・Bluttooth HIDデバイス
・HIDキーボードデバイス
・HID準拠ゲームコントローラー
・HID準拠マウス
予想はしていましたが、1つのデバイスでこれだけ認識されると圧巻ですね。



この通り、ゲームコントローラーとしても使えます。(実用に耐えられるかは別w)

さて、このレポートを書いている約2時間の感想を箇条書きでお届けします。

[○良いところ]

・(使い勝手は別として)洗練されたデザイン
・左下のFnとAltの間にある◇キーがWindowsキーになる
・実売4000円という低価格ながらスティックポインタもある
・PS3のコントローラーとしても使える(PS3が起動できる)

[×悪いところ]

・赤いパイロットランプが目障り
・470gという重量は重すぎて持ち歩けない。タブレット端末並の重さですよ?
・電池の持ちが最悪
・キーの取りこぼしが頻繁にある。高速タイプができない。 ・Home、End、PageUp、PageDownがFnキーの組み合わせでも使えないので、人によっては不便
・パンタグラフのタッチが安っぽい。硬くて浅い。エンターとスペース以外は気持ち良い音がしない。(そもそもホントにパンタグラフ?)
 エクセリオやストリームのキータッチには遠く及ばず。
・フルフラットなのでキーの境界が判別しにくい
・マルチペアリング非対応
・Winを再起動するとペアリングからやり直し。
この中で致命的なのがキーの取りこぼしとペアリング関係でしょう。
BTレシーバーがBT2.0までにしか対応していない安物だからなのか、個体差なのか判りませんが、押したはずのキーが押されていないと非常にストレスが溜まりますね。スペースで変換したつもりが変換してなかったりなど。

ペアリングもその都度やらなければいけません。

「期待値が高すぎたキーボード」ですね、これは。
PCで常用するにはいささか使い辛いです。
なお、PS3で使った場合もキーの取りこぼしはあります。

追記:
ハッキリ言ってしまうと、これはゴミです
オブジェとして飾る用途以外では絶対に買わないほうがいいです。

2011年にもなって、こんなにも重くて、こんなにも電池持ちが悪くて、こんなにもBluetooth通信が不安定な製品をまさかソニーが出してくるとは思いもしませんでした。
「軽くてスタミナバッテリーでワイヤレスはお手の物」なのが、私の中のソニーだったのでこの出来は残念でなりません。


Filed under: 入力デバイスマニアックス,日記 — monta @ 22:54