2013 年 6 月 22 日

[レビュー]ボタン電池でフルカラー:カラフルプロ110


[最終更新:2013.06.22 PM23:50]


メーカー ターンオン有限会社
発売日 2013年06月21日
定価 1,785円
購入日 2013年06月21日
購入店 でらなんなん秋葉原店
購入価格 1,700円
プリセット色 レッド、エンジレッド、ブルー、ライトブル、アクアブルー、イエロー、ライトイエロー、オレンジ、グリーン、ライトグリーン、エメラルドグリーン、ピンク、ピーチ、サクラピンク、バイオレット、ラベンダーパープル 、ホワイト
光源 フルカラーRGBW LEDx1
電池 ボタン電池LR44x6(LR44x3を並列化)
光量切り替え なし
リバース機能 あり
先端処理 あり(スポンジ)
フリッカー、色分離 なし
連続点灯時間 2.5~8時間(メーカー公表値)
全長 Mサイズ:21.4cm
Sサイズ:19.3cm
重量(電池・ストラップ含む) キラキラMサイズ:54.7g
キラキラSサイズ:52.5g
ホワイトMサイズ:51.7g
ホワイトSサイズ:50.4g
ストラップの有無 付属


ボタン電池式ペンライトに新たなスタンダードが誕生しました。
カラフルプロ1本で、


全17色もの色を持ち歩くことができます。



ラインナップは筒(キラキラ、ホワイト乳白色)と長さ(Mタイプ、Sタイプ)の組み合わせで計4種類存在します。
ご購入の際はお間違えのないようご注意ください。
レギュレーションでボタン電池のペンライトのみ許可されているイベントでも使用できますし、さらにSタイプは20cm以下のみ許可されているイベントでも使用可能です。
そもそも、カラフルプロの「プロ」はアイマスのプロデューサーを指しているとの噂もあります。



パッケージスキャン(※2242×3154ピクセル)

■カラフルサンダーとの関係■
既に発売されているカラフルサンダー110の後継機種と見る方もいるようですが、電池が異なるため明るさは全く異なります。


左がカラフルプロ、右がカラフルサンダーです。
当blogの照度基準ではカラサン青(キラキラ)は197lxですが、カラプロは35lxになり、他のボタン電池式ペンライトと同程度となります。

なお、筒はサンダーシリーズで採用されていたBasicタイプ(15cm)とSタイプ(10.4cm)に加え、新たにMタイプ(12.5cm)が標準採用されています。


もちろんカラプロにもBasicタイプの筒を装着することができます。
(ターンオンは筒を「スティックヘッドシリーズ」として単体販売しています)
ただし、Basicタイプが既にあるのにわざわざ中途半端なMタイプを作ったのには理由があります。


このようにBasicの筒だと光量が足りず、全体が綺麗に光らないのですね。
カラプロの光量がギリギリ届く範囲がMタイプ(12.5cm)だったのでしょう。

■外観■

見るからに「ターンオン製だな」とわかるボディですね。

ボタン電池が使える主要なペンライトと比較します。


左からルミスティック、サイリュームクラシック、アイマスサインライト、大電光改、カラプロS、カラプロM、ネオンスティック、ネオンスティック(旧)、参考でカラサンとキンブレX10です。
従来のネオンスティックと比べて持ち手が長くなっているのはLR44が6個入るためです。



重量はキラキラMサイズ:54.7g、Sサイズ:52.5g、
ホワイトMサイズ:51.7g、Sサイズ:50.4gになります。
単4電池を使うペンライトの半分の重さです。



ストラップ穴は底面にあります。若干ストラップを通しにくい気がしました。
付属しているストラップはサンダーシリーズでお馴染みのものですが、カラプロ本体の大きさと比べて長すぎる気もしますね。



持ち手の側面には色の順番を記したシールが貼ってあります。
R(レッド)、ER(エンジレッド)、B(ブルー)、LB(ライトブルー)、AB(アクアブルー)、Y(イエロー)、LY(ライトイエロー)、ORG(オレンジ)、G(グリーン)、LG(ライトグリーン)、EG(エメラルドグリーン)、PK(ピンク)、PC(ピーチ)、SP(サクラピンク)、VT(バイオレット)、LP(ラベンダーパープル)、W(ホワイト)
分かり易いかどうかは別として、これだけ色数が多いと色順の表も必要になってきますね。



電池はセット済みです。



電源はLR44x3を並列化しています。片側だけ3つ入れてもほぼ同じ明るさで点灯します。



電池のバネが強力で、2つだけでも固定できるほどです。
これだけ強ければ接触不良はおきないでしょう。



レンズはネオンスティックお馴染みの球面で、その下に拡散シートが入っています。



先端処理はサンダー以降定番のスポンジを採用。筒自体も全く同じものです。

■操作性■
当blogとしては特別な理由がない限り推奨できませんが、


4本バルログは可能です。
※深く握りすぎると側面スイッチを誤操作する恐れがあります。
※後ろのファンの迷惑も考えて、どうしても複数色が必要な場合にのみご使用ください。
また、レギュレーションで持てるペンライトの本数が決まっている場合は規定をお守りください。

【点灯操作】


電源ON、OFF、色の切り替えは側面のプッシュスイッチのみで行います。

操作方法は次のとおりです。


【ライトON】 0.5秒長押しで点灯。
OFFにした時の色が次回ON時に点灯します。
※カラサンにあった3秒長押しで色記憶をリセットして起動する機能はなくなりました。

【色の切り替え】 スイッチを押すたびに色が変わります。
1. レッド → 2. エンジレッド → 3. ブルー → 4. ライトブルー →
5. アクアブルー → 6. イエロー → 7. ライトイエロー → 8. オレンジ →
9. グリーン → 10. ライトグリーン → 11. エメラルドグリーン →
12. ピンク → 13. ピーチ → 14. サクラピンク → 15. バイオレット →
16. ラベンダーパープル → 17. ホワイト → 1. レッドに戻ります
※カラサンの色を拡張した並びですね。

【リバース機能】 点灯中、約1秒間押して離します(トグル動作)
●2回点滅  →「逆送りモード」
●1回点滅  →「順送りモード」
※逆送り設定にした場合、電源を切っても次回ON時に逆送りで起動します

【ライトOFF】 2秒間長押しします
特筆すべきは点灯までの長押し時間がカラサンの1秒から0.5秒に短縮されたことでしょうか。
カラサンの1秒長押しは、ルミエースの2秒長押しに比べて機動性の面で有利でしたが、カラプロではさらに短縮され0.5秒長押しになります。
このあたりの長押し時間が誤動作防止と使い勝手との均衡点ではないでしょうか。

市販ペンライトで初めて搭載されたリバース(逆送り)機能ですが、スイッチが一つしかないため使い勝手が悪いです。
リバースモードに入るにはスイッチを1秒長押しして離す必要がありますが、逆送りが必要な場面(目的の色を急いで探すためスイッチ連打)でシビアな操作ができるとは思えません。
スイッチを離し忘れて2秒経過したら電源が落ちますからね。
やはり逆送り用の物理スイッチを増やしてこそ真価を発揮する機能だと思います。
カラプロの場合、本体の形状をアーティストの公式ペンライトと同じにして(例:田村ゆかりCCHペンライト)、金型のコストを下げているためスイッチをこれ以上増やせないという事情が予想されますが。

■発色■
【キラキラタイプとホワイトタイプの違い】


本当の暗闇ではキラキラもホワイトも同じ発色になりますが、照明がある場合、ホワイトタイプは筒の乳白色がブレンドされて白っぽくなります。
多少ラメがあっても澄んだ色が好みならキラキラ、ケミカルライトのような発色を好むならホワイトタイプをお選びください。

【筒の根元に原色が見える現象】


LEDの原色が見える現象ですが、カラサンと同じように白色と黄色で顕著です。
カラプロが搭載しているLEDの球の大きさからして改善は不可能だと思います。

それでは他のペンライトと色を比較していきましょう。
比較対象は同じLR44を使用しているアイマスサインライトVer1、大電光改、ルミスティック、サイリュームクラシックです。
■レッド系■



■ブルー系■



■イエロー系■


イエローとライトイエローの違いが分かりづいらいです。

■オレンジ系■



■グリーン系■


ライトグリーンとエメラルドグリーンの違いが分かりづいらいです。

■ピンク系■



■パープルバイオレット系■



■ホワイト■



■RGB+W LEDについて■


カラプロのLEDはRGBの三原色に加えてWhiteが搭載されています。計4LEDです。クアッドです。
ちょっとペンライトに詳しい方なら、「やった!これでRGB LEDが苦手としている白色が純白になるぞ!」と期待しそうなところですが現実は異なります。
次の写真はカラプロがブレンドするLEDの組み合わせです。


……はい、白色は「RGBW全色点灯」になります。
ターンオンとしても最初は白色LED単体で点灯させたと思うのですが、それでは恐らく光量が稼げなかったのでしょう。
発色にこだわっているターンオンなら、ここは明るさを犠牲にしてでも純白を追求して欲しかったですね。心底残念です。
なお、他に白色LEDが点灯するのはライトブルー、アクアブルー、ライトイエロー、ライトグリーン、エメラルドグリーン、ピーチ、サクラピンクになります。


■【電源電圧による色の変化】■
フルカラーペンライトはRGB LEDの合成によって色を表現しているため、電源(電池)の電圧が下がると発色のバランスが崩れます。(昇圧回路でも入っていない限り避けては通れない問題です)
最も色の変化が著しい白色で見てみましょう。
白色→青色→緑色→赤色LEDの順で光らなくなります。

●4.50V


安定化電源に繋げた状態です。比較用に大電光改とサイクラの白色を置いています。
この時点では多少青色に寄っています。

●4.25V


●4.00V


●3.75V


赤色が強くなってきました。

●3.50V


●3.25V


薄いオレンジ~紫色になりました。
この辺りから白色LEDと青色LEDが光らなくなります。

●3.00V


エンジレッドになりました。

●2.75V


緑色LEDも光らなくなり、完全に赤色になりました

●2.50V


赤色LEDの孤独な戦いが続きます。この辺りから明るさもほとんどなくなります。

●2.25V


風前の灯火です。

●2.22V


電源が落ちます。再点灯も不可能です。

■照度・消費電流■
照度の計測条件は「コンサート用ペンライトの照度比較」ページと同様です。
※近日中に上記ページの表の縦軸と横軸を入れ替え予定です。

【照度[Lx]】
※値は全てキラキラフィルムのものです。ホワイトは1割程度下がります。
LR44x3
[Lx]
LR44x3(並列)
[Lx]
安定化電源4.5V
[Lx]
1.レッド 25 27 28
2.エンジレッド 27 28 29
3.ブルー 30 32 35
4.ライトブルー 41 46 47
5.アクアブルー 37 41 45
6.イエロー 39 42 46
7.ライトイエロー 41 46 49
8.オレンジ 20 22 23
9.グリーン 19 21 23
10.ライトグリーン 27 30 31
11.エメラルドグリーン 30 34 35
12.ピンク 28 30 31
13.ピーチ 28 30 39
14.サクラピンク 54 66 69
15.バイオレット 31 35 40
16.ラベンダーパープル 36 41 45
17.ホワイト 58 70 76
【消費電流値[mA]】
LR44x3 LR44x3(並列化) 安定化4.5V 安定化4.0V 安定化3.0V
1.レッド 27.7 14.8 33.6 26.6 12.8
2.エンジレッド 28.8 15.5 35.4 27.9 13.1
3.ブルー 17.7 10.7 23.2 15.8 3.24
4.ライトブルー 23.3 13.5 32.1 21.4 3.3
5.アクアブルー 21.9 12.6 30.3 20.3 3.97
6.イエロー 33.5 18.2 45.0 33.4 13.2
7.ライトイエロー 34.1 18.9 47.1 34.7 13.3
8.オレンジ 21.2 11.5 26.5 20.5 9.1
9.グリーン 16.4 9.9 22.19 14.8 3.3
10.ライトグリーン 19.9 11.6 27.7 18.4 3.57
11.エメラルドグリーン 21.3 12.4 30.0 19.9 3.67
12.ピンク 28.4 14.9 35.6 28.2 12.9
13.ピーチ 28.9 15.6 38.6 29.1 11.3
14.サクラピンク 28.4 14.9 53.7 38.7 12.6
15.バイオレット 20.8 12.1 28.5 20.3 5.5
16.ラベンダーパープル 31.4 17.0 55.5 39.0 11.1
17.ホワイト 36.2 21.3 55.5 39.0 11.1
白色LEDが点灯する色において、ボタン電池と安定化電源の差が顕著です。
やはりボタン電池から大きな電流は取り出せないため、並列化して電池への負担を和らいでいるようですね。

■分解■
※分解及び改造行為を行ったペンライトは安全性が保証できないためライブ会場に持ち込まないでください。


写真の位置にあるネジを外します。



溝の部分を回して取り外します。



開いた状態


回路基板。
LEDに放熱器はありません。



レンズと光拡散シートです。



小型プッシュスイッチ。

■まとめ■
■良い点
・シナモンブレードIIIに次いでアイマスレギュレーションをクリアしたフルカラーペンライト
・価格が安い
・軽い
・点灯までのタイムラグが0.5秒になった
・筒を短くしたため色ムラも少ない
・言及するまでもなくフリッカー、色分離なし

■賛否両論
・色数が多すぎる(無駄な色も多い)
 →ライトグリーン、エメラルドグリーンの微妙な差など

■悪い点
・リバース(逆送り)機能にターンオンの迷いが見られる
 →専用ボタンが欲しい
・白色LEDの立場がない
点灯タイムラグ改善、色記憶デフォルトONなど機能的にはカラフルサンダーより進んでいる部分もあります。
サイズも小さく軽いため、イベンターならカバンの中に常備しておける手軽さです。
また、明るさもカラサン/X10と比べて迷惑にならないレベルなので、小規模な会場やライブビューイングなどでも気兼ねなく使えるかと思います。
現段階でも買って損はありませんが、これでリバース機能が実用的に使えればさらに言うことはありません。

※LR44の気になるランニングコストですが、


アキバに行けるならSUNCOM製の10個シートが千石電商で100円で売っていますので活用しましょう。


[アキバ総研] 新作ペンライト「カラフルプロ110」、予約絶好調で大ヒットの予感!? 悪法アイマスルール最新版公開で需要増


光モノ好きイベンターやメーカーにとっての悩みの種とも言える”アイマスルール”の最新版が発表された。

これは、アニメ/声優関連ライブにおいて光モノの規制がもっともきびしいとされている「THE IDOLM@STER(アイドルマスター)」関連ライブの注意事項。過去に観客のペンライトによって会場の機材が破損した、という事件があったため、以降のライブでは使用ペンライトにさまざまなレギュレーションが設けられている。
なかには、破損事件にはまったく関係ない”光量”を制限するためのものもあり、光モノ好きイベンターやペンライト業界関係者にとっては忌まわしき存在――定期的にやってくる”悩みの種”となっている。
これはアイマスPは怒っていいです。こんな書き方をされたらアイマス好きは光るのが大好きな集団みたいじゃないですか。
客席の過度の明るさは演出の妨げになりますし、アイマスのように多色が必要な現場ではペンライトの影でステージが見えづらくなる参加者も出てくるわけでどこかで線引きをするべきでした。
それが「ボタン電池使用のみ可」という線引きなら「悩まずに」従うべきです。
イベントよりもペンライトを優先してしまっては本末転倒です。
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