2013 年 8 月 8 日

[レビュー]ターンオン カラフルサンダー220


[最終更新:2013.08.08 PM12:30]


メーカー ターンオン有限会社
発売日 2013年08月02日(キラキラ先行発売)
2013年08月06日(キラキラ一般発売)
定価 3,150円
購入日 2013年08月02日
購入店 でらなんなん秋葉原店
購入価格 2,980円
ラインナップ キラキラ、ホワイト(乳白色)×2サイズ(Basic、S)
プリセット色 1. レッド 2. ローズ 3. ブルー 4. ライトブルー
5. アクアブルー 6. イエロー 7. ライトイエロー 8. オレンジ
9. グリーン 10. ライトグリーン 11. エメラルドグリーン 12. ピンク
13. ピーチ 14. サクラピンク 15. バイオレット 16. パープル
17. ホワイト
光源 フルカラーRGB LEDx1
電池 単四電池x3
光量切り替え 2段階(HIGH、LOW)
リバース(逆送り)機能 あり
先端処理 あり(スポンジ)
フリッカー、色分離 なし
連続点灯時間 2.5~10時間(メーカー公表値)
※色によって異なる
全長 24.7cm
重量(電池・ストラップ含む) 97g(メーカー公表値)
ストラップの有無 付属
配色のユーザーカスタマイズ あり
定電圧・定電流回路 なし
ロット情報 初期ロット:2013年08月~




フルカラーペンライトにおいてキンブレX10シリーズと人気を二分するもう一つの雄「カラフルサンダー」(通称カラサン)にも次世代機が登場しました。
その名はカラフルサンダー220。前機種カラフルサンダー110を2倍しているようです。(そもそもターンオンのシリーズ名に付いている数字って何なのでしょうね?ルーメンかと思いきや、おおよそ110ルーメンもないカラフルプロにも110が冠してあります)



デフォルトのプリセット色は全17色。

ラインナップは、


いつものキラキラ、ホワイト(乳白色)×2サイズ(Basic、S)の計4種です。
キラキラタイプのみ先行発売のようでホワイトタイプは後日発売するとのことです。
どうしてもホワイトタイプが急用でしたらスティックヘッドが480円で単品売りされているのでそちらをお買い求めください。

従来のカラフルサンダー110から以下の点が強化されました。
・配色のカスタマイズができる
 (ユーザー設定と初期設定を瞬時に切り替え可能)
・色の順送り、逆送りができる
・明るさの調節ができる
配色の(ユーザー設定←→初期設定切り替えと、明るさの調節機能がキンブレX10IIに対するアドバンテージとなっています。
それにしてもこのカラサン220、キンブレX10IIの発売が迫った7月中頃に公式サイトで突如発表され、X10IIの発売一週間後を狙ったかのように店頭に並ばせるという対抗意識全開のリリーススケジュールでした。



パッケージスキャン(2250x3352pixel)


取扱説明書が同梱されています。X10IIもそうですが、もはやペンライトは操作方法を簡単に覚えられない域に達しました。
取扱説明書は以下のURLからダウンロードできるものと同様なので当blogではスキャンしていません。
http://www.turn-on.jp/products/colorfulthunder220/products_img/web220sousaguide.pdf
書いてある内容で気になった部分を抜粋します。
カラフルサンダー220は、
みなさまの、ご意見・ご要望をもとに創りました。

●さらにキレイに、明るく、ムラなく、発色発光
→外見の派手さより、ペンライトとしてのLED・レンズ・スティックと、
「光と色に」こだわっています。すべての部品がTurnONオリジナルです。
※特にLEDは市販品と比べ、電流・電圧に対しての光量・発色が違います。
●明るさ2モード=ライブシーンに合わせて明るさ切替2モード
・会場やライブによっては、カラフルサンダー110は明るすぎる
・省エネモードが欲しい・
・カラーによっては、暗くして色目を抑えたい…。
→明るさを2モードに切替えられる設定にしました。

●危険な「目に見えるライトのチラつき=フリッカー」対策
→目に見えるライトのチラつき=フリッカー=オフィシャルではNGです。
「LED電球=500Hz以上」と法令基準*がありますが、ペンライトにはありません。
しかしTurnON雷シリーズは、LED電球基準をふまえ「最低=2,000Hz以上」で製作しています。
*「改正 電気用品安全法 H24.7.1施行」より。

●落下時に電池が飛び出さない電池BOX構造
ライブ会場の暗がりで落としたら、電池が飛び出すはフタはなくなる、
おまけに電池フタを抑えていたネジが見当たらない…
→本体と電池ケースを挟み込んで落下時のそんな事故を防ぐ構造です。

特許申請中
他社を意識しまくりな宣伝文句ばかり並んでいますね。
特にフリッカーに関しては毎回微妙に文章が変わっていて、今回から具体的な法令基準が示されました。今まで一度もフリッカーが出る分身ペンライトを作っていないターンオンだからこそ強く書ける内容ですね。
そして最後の「特許申請中」です。
具体的にどの機構に対しての特許なのかわかりませんが(電池BOX構造単体に対してなのか、それを含めたペンライトシステム全体なのか)、ペンライトに対して企業間で特許やパテント代の応酬合戦がはじまるとは凄い時代になったものです。

■外観■


全長は旧カラサン110と同じく24.7cmです。
持ち手の太さは2mmほど細くなりました。



重さは電池、ストラップ込みで99.6g。(X10IIは95.8g)
持ち手部分の重さ(電池、ストラップなし)を測定したところ興味深い結果が出ました。


・カラサン110:48.3g
・カラサン220:44.5g (-3.8g)
・X10 :41.1g
・X10II:40.7g (-0.4g)
総重量は別として、カラサン220の方が旧機種から軽量化されたということでしょうか。




外観のシルエットはカラサン110と比べて明らかに洗練されました。
特に持ち手のカーブが、


カラサン110だと直線部分がありましたが、220ではすべて曲線になりました。


それでもオーガニックデザイン全開のキンブレX10IIと比べるとまだまだ角張っている気がしますね。あえて似せないように作っているのだと思いますが。



冷却用の排熱口を増やすと同時に、「CONCERT PENLIGHT」のシールが小さくなりカッコ良さがやや増しています。(個人の感想です)
一部の人から「カラサンはキンブレより外観がオモチャっぽい」という意見がありましたが、その原因の一つが大きく貼られたシールだったと思います。



裏面にはボタンが3つ増設されました。
この3つのボタンと


底面の1ボタンの計4つの黒いボタンで操作することになります。



電池ボックスは特に変わっていません。



先端処理はキラキラタイプだと従来のスポンジ、ホワイトタイプではスポンジがなくなるとのことです。ホワイトタイプは筒自体が乳白色なのでスポンジがなくとも光を十分遮断できるという判断なのでしょう。



レンズは変化があり、リフレクタより前にあった羽根?がカラサン220ではなくなりました
どれほど効果があるのか気になって光を見てみましたが、


カラサン220の方が光がぼやけないで直進しているように見えます。
ちなみにカラサン110にあった「根本に原色が見える現象」ですが、


やや改善されたように見えます。


■操作性■


Aボタン…順送り
Bボタン…逆送り
Cボタン…機能呼び出し
Dボタン…電源ON、OFF

【ライトON、OFF】 Dボタンを0.5秒長押しで点灯→最後に使用した色と明るさからスタート
Dボタンを2.0秒長押しで点灯→色をリセットしてスタート
点灯中にDボタンを2.0秒長押し→消灯

カラサン110では最短1.0秒長押ししないと点灯しなかったところ、220では0.5秒で点灯できるよう改善されました。(カラフルプロと同じ仕様です)


【色の切り替え】 Aボタン…順送り、Bボタン…逆送りで操作するだけです。直感的ですね。
色の順番は初期設定だと、
1. レッド → 2. ローズ → 3. ブルー → 4. ライトブルー →
5. アクアブルー → 6. イエロー → 7. ライトイエロー → 8. オレンジ →
9. グリーン → 10. ライトグリーン → 11. エメラルドグリーン →12. ピンク →
13. ピーチ → 14. サクラピンク → 15. バイオレット →16. パープル →17. ホワイトの順です。
ピンク字が新たに追加された色で、カラサン110に慣れた方は最初混乱すると思います。その場合、色の順番を好きなように変えてください。
余談ですがカラフルプロも全17色で2.ローズが2.エンジレッドになっているだけの違いです

【明るさの切り替え】 底面のDボタンを押しながらBボタンを押すことで明るさがHIGH←→LOWに切り替わります


配色のカスタマイズについては手順が長いのでPDFを参照してください。
カラサン220は自分でカスタマイズした色と初期設定の17色モードを切り替えられるようになっています。
http://www.turn-on.jp/products/colorfulthunder220/products_img/web220sousaguide.pdf
実際に使ってみた感じですが、操作のスピードを求める場合2つほど気になる点がありました。

1.電源OFF状態からON→任意の色に切り替えるのに2アクション必要
底面のDボタンと色切り替えボタン(ABボタン)が離れているため、親指だけで操作する場合は持ち方を変える必要があります。
かと言って、X10IIのように底面にボタンを集中させるとタイムラグはなくなりますがボタンの方向がわからなくなったり、同時押しがシビアになったりするので一概に正解とは言えません。
カラサン220の場合、やや不安定な持ち方になるものの小指でDボタンを押して点灯→親指で色の切り替えをするという操作だとタイムラグを減らせました。
一番確実なのは両手を使うことですが、左右の手にペンライトを持っているとそれもまた不便ですね。

ただし、点灯している状態から色を切り替える場合には、持ち方を変えることなく自然にABボタンが押せるので非常にスピーディーです。※浅い持ち方に限る。詳細は以下。

2.持ち方によっては色の切り替えボタンに指が届かないことがある


↑のように小指が余る程度に浅い持ち方なら問題なく親指で押せます。



持ち手全体を手のひらで包む持ち方の場合、ABボタンが小さいため親指では押しにくくなります。親指の腹ではなくツメや側面を使うと良い感じでしょうか?
ABボタンが小さいのは複数持ちした時に誤作動させないためだと考えられます。
排熱口を塞がないためにも浅い持ち方の方が良いようです。

■発色■
最近のターンオンシリーズで言及する必要はないほど、


色ムラはほぼありません。

それでは各色を見てみましょう。
※写真ではカラサン220、キンブレX10IIが旧機種(カラサン110、X10)より色が薄く見えることがありますが、明るさが旧機種より上がっているため結果として白飛び気味に写ってしまってるだけです

※ロット違い、LEDの個体差により写真と同じ色になるとは限りません。あくまで目安として参考にしてください
■ホワイト■


カラサン系は青緑に寄った白で、X10系は紫色に寄った白なのは旧機種も新機種も変わらない傾向のようです。多少の改善は見られますが、やはり白色LEDを使ったペンライトを使うべきですね。

■レッド■


特に差は出ません

■グリーン系(ライトグリーン、エメラルドグリーン含む)■


カラフルプロでは「ライトグリーンとエメラルドグリーンの差が微々たるものなので無駄に入れなくて良いのでは?」という結果でしたが、カラサン220のエメラルドグリーンは差別化できています。

■ブルー系(ライトブルー、アクアブルー含む)■


カラサン220のアクアブルーとX10IIのターコイズは共に新色ですが似たような色です。

■オレンジ■


UOや大閃光オレンジの代替目的として使うならキンブレSuperTubeやサンダーシリーズをお買い求めください。
■ピンク系(ローズ、ピーチ、サクラピンク含む)■


ピンク系はカラサン220で4色もあるので選び放題です。
ピーチ、ローズがやわらかなピンク色なので好きですね。
サクラピンクは電池の消耗が激しいので使う時にはご注意ください。

■イエロー系(ライトイエロー含む)■


ライトイエローは「ひよこ色」とでも言うのでしょうか?もちろんアイマス現場ではボタン電池式以外のペンライトは使用できません。


■バイオレット、パープル


旧機種、新機種共に大きな変化はありません。ねぷねぷです。

■照度・消費電流■
※ロット違い、LEDの個体差により同じ電流値、照度になるとは限りません。あくまで目安として参考にしてください
安定化電源を4.5Vに設定した場合の消費電流値を測定しました。
どの色が電池を消耗するかの目安にしてください。
カラサン220
キラキラ
カラサン110
キラキラ
HIGH LOW
1. レッド 210 130 160
2. ローズ 240 150  
3. ブルー 220 140 180
4. ライトブルー 290 180 340
5. アクアブルー 420 260  
6. イエロー 350 220 280
7. ライトイエロー 430 260  
8. オレンジ 240 150 190
9. グリーン 240 150 180
10. ライトグリーン 150 100 180
11. エメラルドグリーン 320 200  
12. ピンク 240 150 190
13. ピーチ 200 120 170
14. サクラピンク 330 210  
15. バイオレット 240 150 210
16. パープル 320 200 260
17. ホワイト 520 300 410

照度の測定方法は「コンサート用ペンライトの照度比較」ページに準拠しています。
(電源は安定化電源4.5V、旧X10にX10IIの筒を装着して再測定しています)
カラサン220
キラキラ
カラサン110
キラキラ
X10II
シャイニング
旧X10
シャイニング
HIGH LOW
レッド 126 74 90 138 61
ブルー 273 163 180 337 252
ホワイト 551 327 369 428 373
オレンジ 162 98 117 166 80
グリーン 239 149 174 242 138
パープル
(カラサンはバイオレット)
278 166 192 352 257
ピンク 159 95 116 237 97
イエロー 317 191 206 299 155
ライトグリーン 186 113 176 327 158
ライトブルー 370 221 347 439 370
ライトピンク
(カラサンはピーチ)
137 81 102 262 162
バイオレット
(カラサンはパープル)
278 166 198 325 296
ライトイエロー 414 252      
ローズ 177 105      
サクラピンク 295 177      
アクアブルー 547 330      
エメラエルドグリーン 381 229      
ライム       275  
ターコイズ       565  
ホットピンク       152  
気になるHIGHモードとLOWモードの差ですが、LOWモードは消費電流値、照度共にHIGHの約60%出力となります。
ただ、LOWモードで暗いかと言うと「十分明るい」と言えるレベルです。
ターンオン自身が取扱説明書で「会場やライブによっては、カラフルサンダー110は明るすぎるという声にお応えしました」と書いていますが、旧カラサン110に肉薄するレベルの照度なのでもっと暗さを求めていたユーザーには微妙でしょう。個人的にはカラフルプロ程度の明るさにまで落とせるモードがあると使い勝手がいいですね。(HIGH-MIDDLE-LOWの3段階)

■分解■
※分解及び改造行為を行ったペンライトは安全性が保証できないためライブ会場に持ち込まないでください。


従来のカラサン110、サンダー110よりヘッド部分の1つパーツが削減されて(一体化されて)、分解が容易になりました。



底面のスイッチは色以外従来と変わっていません。



TurnONがオリジナルだと謳っているLED。



LEDとヒートシンクを動かすとリード線がもげてしまいそうなので隙間から眺めるだめに留まりますが、手前にある14pinがマイコン、奥にある8pinが配色記録用のEEPROMだと推測されます。


スペースの都合上、メイン基板と垂直になるようにスイッチ基板が取り付けられているのが印象的でした。

■まとめ■
■良い点
・物理ボタンによる色の順送り・逆送り機能
・お値段据え置き
・プリセット色が豊富(色の差別化ができている)
・配色のカスタマイズが可能
・色ムラなし
・形状が旧カラサン110よりカッコよくなった(個人の感想です)

■賛否両論
・LOWモードよりさらに暗いモードがあっても良い

■悪い点
・ボタンが増えすぎて操作方法がわかりづらい
基本スペックに欠点はないので買って損はありません。
ただ、キンブレX10IIの時も思いましたが、ペンライトが高機能化するに従って操作方法も難しくなってしまいましたね。
レビューのために散々ON・OFFを繰り返していると、単色ペンライトのようにボタン1つでON・OFFできるシンプルイズベストな操作方法が恋しくなりました。


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