2014 年 9 月 28 日

[レビュー]ルミカ ルミエース2


[最終更新:2014.09.28 PM12:00]


メーカー 株式会社ルミカ
発売日 2014年06月24日
定価 2700円(税抜)、2916円(税込)
購入日 2014年06月25日
購入店 でらなんなん
購入価格 2380円(税込)
ラインナップ 2種(キラキラタイプ、マットタイプ)
光源 RGBパワーLED
プリセット色 12色
レッド、ホワイト、さくらピンク、ピンク、パッションピンク、バイオレット、
ブルー、パステルブルー、エメラルドグリーン、グリーン、イエロー、オレンジ
電池 単四電池x3
光量切り替え なし
先端処理 あり
フリッカー、色分離 なし
連続点灯時間
(メーカー公表値)
3~6時間
全長 25cm
重量 95g
ストラップの有無 付属
定電圧・定電流回路 なし
ロット情報 不明
公式サイト http://focus.lumica.co.jp/lumiace2/


ルミカの新フラグシップモデル「ルミエース2」です。ルミカとしては昨年12月に発売されたルミエースライト以来の市販ペンライトとなります。


初代ルミエースはマットタイプのみの発売でしたが2ではキラキラタイプも同時ラインナップされました。これで3社ともキラキラとマット(乳白色)両方が揃い踏みです。

現在出回っている一般的なフルカラーペンライトのスペックを表にします。
  ペンラ-HB ペンラ-PRO カラフルPRO110 カラサン220 キンブレX10II ルミエース2 ルミエースライト
定価(税別) 1950円 1850円 1700円 3000円 3000円 2700円 1200円
LED 4(RGBW) 5(RGBWY) 4(RGBW) 3(RGB) 3(RGB) 3(RGB) 3(RGB)
電池 単4×3 LR44x6 LR44x6 単4×3 単4×3 単4×3 単4×1
ボタン数 2 2 1 4 2 3 1
色の逆送り △(難あり) ○(予約機能で代用)
色の自動ロック
(誤爆防止機能)
✕(ボタンが底面なので
誤爆は少ない)
○(予約機能で代用)
明るさ調節 ○(2段階)
配色のユーザー定義
ユーザー配色と
デフォルト配色の切り替え
定価は2916円(税込)ですが2014年9月28日現在amazonでは、


40%OFFの1760円(税込:送料無料)で販売されています。
販売しているペーパームーン(でらなんなんの会社)以外も何社か追従していることから、わずか3ヶ月で卸値が下がったのでしょうか。
ルミエース1の定価が2000円(税抜)だったことから、それのイメージに近くなるように改定しているのでしょうか

■パッケージ■


パッケージスキャン



最大の特徴である「カラーリザーブ機能」をアピール。



底面にある「60F 14MW」という文字列はキラキラ、マット共に共通のためロット番号でしょうか?



パッケージ下部の箱内部は電池とストラップが入っているだけです。

■外観■


全長はルミエース1と同様に25cm。

外観は多少変更があり、


・ボタン配置:2ボタン(底面+側面)→3ボタン(側面x3)へ
・メッキ処理:あり→なしへ
変わりました。

特徴的な3ボタンはカラーリザーブ機能のためです(後述)


ただ、通気口から基板が丸見えなので汗などの侵入しないか心配になりますね。
ペンライト全般で浸水によるショートがどの程度あるか不明ですが、「ミックス・ペンラ-HB」では通気口裏にメッシュスポンジが貼られていました。



レンズは厚みのある拡散タイプに。左がルミエース1、右がルミエース2です。
発光ムラについては、


ルミエース1よりもさらに均一になりとてもキレイな部類です。




筒のジョイントはルミエース1と互換があり交換可能なので、ルミエース1のマットを持っているならば使い回せます。
なお、先端処理はマットとキラキラで異なっており、


キラキラは先端が(ほとんど)光りません。
新規に買うなら2のマットの方が良いかも知れません。(目潰しよりはマシですが、個人的な最近の方針として先端も少しは光った方が絵的にキレイだと考えています。そういった意味ではターンオンのスポンジは良いです)

電池蓋は形状は似ていますが互換がなくなりました。


ルミエースは電池蓋は開けやすいのですが、電池交換にはトラップがあります。


一般的に電池のマイナス側にバネがありますが、ルミエースは一番底の電池だけプラス側にバネがあるのです。
バネと言ってもちゃんとプラス極と接触するようになっているのですが、これまでの経験からバネがある方がマイナスだと思ってしまいますよね。実際、底以外の電池はマイナス側にバネがあります。
この辺りの構造は統一して欲しいものです。



下部のリングは取り外し可能ですが、これだけでは分解することができませんでした。

■操作性■
■電源ON-OFF

電源のON-OFFはセンターボタンを約1秒間長押しします。
底面ボタンは無くなりました。
なお、ルミエース1の初期ロットでは2秒長押しが必要でしたが、いつ頃のロットからか不明ながら少なくとも2013年9月購入分からは1秒間に短縮されていました。
(仕様が改善したのでしたらリリース情報を出すか、見分けが付くようにパッケージの一新をして欲しいなというのが正直なところです)

■カラーリザーブ機能 さて、ルミエース2の最大の特徴はカラーリザーブ機能です。


センターボタンの裏にLEDが仕込まれていて、次の色を目視で予約することができるのです。
言葉で説明するよりも以下の動画を見ていただいた方が早いですね。


ルミカさんのこのページ(http://focus.lumica.co.jp/lumiace2/)から色々と転載させていただきます。


「アーティストや歌に合わせてペンライトの色を変えるのは、今やアイドルファン、声優・アニメファンにとっては当たり前の時代!!



「次に出したい色が出るまでペンライト自体の色が変わることはありません!!
用途を一瞬考えてしまいますが、これは以下の状況において非常に便利な機能です。
【状況】 メンバーごとに固定色があるユニットのMCで次に誰か喋るかわかっている場合
かつ、自分はどのメンバーも等しく応援したい場合

【従来の対応】 従来のフルカラーペンライトだと一旦ペンライトを下に向けて高速でボタンをポチポチする必要あり。
(メンバーの前で変な色を出したりすると失礼という心情、他の参加者の目前で色を高速に変えると目が痛いという配慮から)

【ルミエース2なら】 カラーリザーブ機能でこっそりと次の色を準備しておき、MCが変わったら即座に切り替え。ペンライトは終始いつでも振ることが可能。
単推しよりも「作品推し=出演者全員に賛辞を贈りたい」が多いアニメイベントだと便利極まりない機能ではないでしょうか。
ただし、個人的な見解ではフルカラーペンライトが普及し過ぎて、
「便利なものがあるのだから色を変えられるのは当たり前→だから色を変えてね→ペンライトのボタン押しマシーンと化している現状」はどうかと思う場面もあります。
こちらから自発的に誰がどの色か事前に調べて色を変えたり、単色を複数持ち込んでいた頃は良かったのですが、どうも最近はカラーチェンジを強制されているような気がしてなりません。作業感が生じていないでしょうか?

あとは曲中で色が変わる場合にも有効ですが、白はフルカラー特有の濁りがありますし、オレンジは高輝度ケミカルの輝きもないので使用できる曲は狭まります。

■ボタンの押しやすさ センターボタンは押しやすいのですが、←→ボタンは押しにくいと感じました。
特に←→ボタンの外側が押しにくいのでセンターボタン寄りを押した方が良いですが、センターボタンの誤爆には注意してください。

■色記憶 電池を抜くまで常時有効です。消灯した時の色からスタートします。
さらにカラーリザーブで予約した色も保持されています。素晴らしい。

■フリッカー

感嘆符を付けるぐらい「ありません!!」

■色のカスタマイズ ありません。12色固定です。
「厳選された12色」ということですがピンク系統が3色(さくらピンク、ピンク、パッションピンク)ある代わりに青紫がありません。

■ブースト機能 削減されました。

■カラーリザーブ機能の注意点 カラーリザーブ機能を使わないで色を切り替える方法がありません。
つまり、色を切り替えるには←→ボタンで色を設定してからセンターボタンを押すという2アクションが必要となります。
先述したカラーリザーブ機能の有用性がわかる方にはこの仕様で問題ないと思いますが、カラーリザーブ機能なんて使う気がない初心者、たまたま入店した量販店に置いてあったから何も調べずに買ってしまった方にとっては「あれ?このペンライトってすぐに色を変えられないの?」と疑問に思われるのではないでしょうか?
また、カラーリザーブ機能の有用性がわかっていてもラフに使いたい場合もあるはずです。
その場合、従来のフルカラーペンライトなら降ろしてボタンをポチポチして発光部をチラ見するだけで現在の色がわかりましたが、ルミエース2の場合は発光部が光りませんのでわざわざ小さなセンターボタンで色を確認しないとダメです。
カラーリザーブ機能の有効、無効を切り替えられるとさらに良かったのではないでしょうか。

■センターボタンLEDの注意点

レッドとパッションピンクの区別が付きにくいです。
(上の写真では発光部も点灯しているので区別が付きますが、実際は他の色が点灯しているはずです)
明るい室内だと大丈夫ですが、長時間薄暗い会場にいると目が疲れて判別しにくくなります。

このセンターボタンのフルカラーLEDですが、電池が消耗すると青色が真っ先に出なくなります。


安定化電源で2.7Vにまで下げたときの写真です。この時は30mAも流れずほとんど青色が光っていませんでした。
乾電池の0.9V時からどれほどの電流が取り出せるか不明ですが、少なくともアニサマで実際にこの状況に陥ったのでルミエース2をお持ちの方は長時間連続点灯を試してみてください。
センターボタンの青色が出なくなると青色を混ぜている色が変な色になります。
例えばホワイトは黄色になり、バイオレットやピンクは同じ赤色、エメラルドグリーンもグリーンも緑色になって区別が付かなくなります。
パワーLEDは点灯しますのでどうやら低電圧時はセンターLEDに電力供給が上手くいっていないようです。

■発色■
まずはカラーの一覧を御覧ください。
■ルミエース カラーチェンジ版



■ルミエース2



続いて各色を見ていきます。
※ロット違い、LEDの個体差により写真と同じ色になるとは限りません。あくまで目安として参考にしてください
■レッド



■ホワイト


電池が新品時のホワイトはなかなかの白さですが、白色LEDを搭載したペンラ-HBの前では相手が悪いです。


■さくらピンク、ピンク、パッションピンク


さくらピンクはその名の通り、淡い桜色です。
パッションピンクは画像ではわかりづらいですが赤に近いピンクです。

■バイオレット


ルミエース2の紫系統は赤紫に寄ったバイオレットのみで、青紫系はありません。


■ブルー、パステルブルー



■グリーン、エメラルドグリーン



■イエロー


悪くはないですが私は単色を持ち込みます。



■照度、消費電流値■
※ロット違い、LEDの個体差により同じ電流値、照度になるとは限りません。あくまで目安として参考にしてください
安定化電源を4.5Vに設定した場合の消費電流値、照度を測定しました。
どの色が電池を消耗するかの目安にしてください。
照度の測定方法は「コンサート用ペンライトの照度比較」ページに準拠しています。

電源は安定化電源4.5Vです。
10cm照度[Lx]
ルミエース2 ペンラ-HB
(キラキラ
Basicサイズ)
カラサン220
キラキラ
キンブレX10II
シャイニング
キラキラ マット Low High
1.レッド 150 95 85 74 126 138
2.エンジレッド     96      
3.ブルー 308 166 197 163 273 337
4.ライトブルー 483 281 220 221 370 439
5.アクアブルー     219 330 547  
6.イエロー 326 209 141 191 317 299
7.ライトイエロー     145 252 414  
8.オレンジ 194 124 97 98 162 166
9.グリーン 251 162 132 98 162 242
10.ライトグリーン     145 113 186 327
11.エメラルドグリーン 287 181 185 229 381  
12.ピンク 190 116 103 95 159 237
パッションピンク 159 99        
13.ピーチ     109 81 137 262
(ライトピンク)
14.サクラピンク 249 148 170 177 295  
15.バイオレット 430 236 173 163 272 352
(パープル)
16.パープル     167 166 278 325
(バイオレット)
17.ホワイト 486 283 223 327 551 428
マットはキラキラの約2/3の照度となっています。

消費電流値[mA]
ルミエース2 ペンラ-HB カラサン220 キンブレX10II
Low High
1.レッド 250 160 130 210 150
2.エンジレッド   170      
3.ブルー 250 190 140 220 170
4.ライトブルー 380 180 180 290 270
5.アクアブルー 230 260 420  
6.イエロー 200 220 350 260
7.ライトイエロー   200 260 430  
8.オレンジ 300 160 150 240 170
9.グリーン 240 190 150 240 160
10.ライトグリーン   180 100 150  
11.エメラルドグリーン 270 210 200 320  
12.ピンク 280 160 150 240 210
パッションピンク 260        
13.ピーチ   180 120 200  
14.サクラピンク 330 200 210 330  
15.バイオレット 420 180 150 240 230
16.パープル   190 200 320 230
17.ホワイト 470 180 300 520 290

■まとめ■
■良い点
・カラーリザーブ機能は用途がある人には非常に便利
・ルミエース1と比較して発色、発光ムラが改善
・キラキラもラインナップ
・フリッカーなし

■一長一短
・カラーリザーブ機能の用途がない人には色の切替えが不便

■悪い点
・←→ボタンが押しにくい
・色のプリセット数が少ない
 (この価格なら色数を増やしてさらにカスタム機能も欲しい)
カラーリザーブ機能が必要な方には良いペンライトですが、それは「普通のペンライトに不満があった玄人向け」というわけで、「初心者が最初に買うべき1本」かと言われるとラフな操作に難ありだと思われます。
当blogを見ていただいている皆様は既にフルカラーペンライトを何本もお持ちのはずですので、手を出してみてはいかがでしょうか。

なお、ルミカは単4電池×2本のルミエースミディも発売予定なので、そちらは一般的に扱いやすいペンライトにしてルミエース2と差別化を図ると予想されます。

Filed under: ペンライトレビュー — monta @ 02:04