[レビュー]フリフラ インフィニット・ストラトス版
[最終更新:2014.04.24 AM01:20]
販売元 | 株式会社オーバーラップ |
製造元 | ソニーエンジニアリング株式会社 |
発売日(当日物販) | 2014年04月13日 |
定価 | 3500円(税込み) |
購入店 | 当日物販 |
購入価格 | 3500円(税込み) |
ラインナップ | 1種 |
光源 | 砲弾型フルカラーRGB LEDx1 |
プリセット色 | 青、赤、緑、白、オレンジ、紫、ピンク、黄色 |
電池 | 単四x2(昇圧回路有り) |
光量切り替え | なし |
先端処理 | あり(導光棒) |
フリッカー、色分離 | なし |
連続点灯時間 (メーカー公表値) |
不明 |
全長 | 29cm |
重量(電池含む) | 82g(発光部24.5g、持ち手57.5g) |
ストラップの有無 | 付属 |
定電圧・定電流回路 | あり |
ロット情報 | イベントのみで販売 |
公式サイト | IS<インフィニット・ストラトス>2公式ホームページ |
昨年3月の「堀江由衣をめぐる冒険IV~パイレーツ・オブ・ユイ 3013~」(レビュー記事)で販売され一躍話題となった無線制御式ペンライトFreFlow(フリフラ)が装いも新たに帰ってきました。
今回のフリフラは白!そして待望の透明筒+キラキラシート!
形状は同じなのに、ほっちゃんフリフラのピンクボディ+乳白色な筒よりも洗練されたデザインに見えますね。(個人の感想です)
※白いフリフラは実は去年からあります。(これまで市販されてなかっただけです)
引用元:Musicman-NET
インフィニット・ストラトスのイベントということで主要キャラクターのストラップ+キーホルダーも付属します。
全キャラのストラップを手に入れるには3500円×7人=24500円のマニィを要求されるのですが、コンプリートされた方は果たしていたのでしょうか。
※フリフラ自体は全て共通品です。
ほっちゃんフリフラが2500円なのに対し、ISフリフラが3500円(ストラップ含む)なのは物販規模を考慮してもいささか考えてしまう値段ですね。
この手の無線制御式ペンライトは「ほぼ全員が」使わないと演出の意味がなくなるので、価格を下げて販売を促進させるか、チケット代に含めてしまうか、入退場時に配布・回収するしかないのが現状です。
とは言え、せっかくなので、
篠ノ之箒さんとラウラ・ボーデヴィッヒさんを買っておきました。(個人の好みです)
なお、15時の時点でシャルロット・デュノア君は売り切れていたことを報告します。
そしてレジのお姉さんが「オレンジの子は売り切れちゃったんですよ。……はい、ご注文は赤い子と紫の子ですね」と色で呼んでいたのが印象的でした。
余談ですがフリフラはペンライト型以外にリストバンド型も存在しており、最近ではL’Arc~en~Cielの国立ライブや西野カナのライブで使用された例があります。
Special Thanks:@comet_orz(箒星)さん
■パッケージ■
パッケージはほっちゃん版同様シンプルなもの。
マニュアルはほっちゃん版から若干変わっています。
特筆すべき点としては製造国がMADE IN JAPANからMADE IN VIETNAMに変わっています。
ファーストロットは国内で作り、製造ノウハウが蓄積されたら安い海外で作るというのはありがちなことです。(3500円になってしまったのは追求しないことにします)
マニュアルの裏にはライセンス絡みの注意書きがあります。
■外観■
全長は29cmで相変わらず最長クラスです。デカイです。
ウルトラカラフルビームにも圧勝でした☆
……
ハッキリ言って長すぎて取り回しが悪いです。
長いペンライトのデメリットは
・運搬時の収納に苦労する(フリフラは筒を取れば楽になる)
・イベント中どこにしまうか困る(各種ホルダーやポケットに入らない)
・振りにくい
・25cm、20cmレギュレーションに引っかかる
など良いことがありません。・イベント中どこにしまうか困る(各種ホルダーやポケットに入らない)
・振りにくい
・25cm、20cmレギュレーションに引っかかる
加えて言うとフリフラの持ち手はスベスベで凹凸もないのでいわゆる「すっぽ抜け」が発生しやすいです。
後述の分解写真を見てもらえば分かりますが、単4直列かつ細長い基板に無線レシーバ、マイコンその他がビッシリと実装されているのが持ち手が長い理由です。
昨年3月の時点ではこの長さも仕方ない感じでしたが、その後に小型で高性能なペンライトが続々登場してきたのでそろそろ改良版を出すべきではないでしょうか。
キンブレRAVEはあのサイズで無線制御を仕込めていますしね。
電源スイッチにはON/OFF表記が付きました。
無線制御下ではどちらが待機状態なのか分かりづらいという声があったようです。
(無線制御下では強制消灯させられることもあるため、自分でOFFにしているかONになっているのか区別が付かない)
底部のクルクル回るパーツはほっちゃん版よりも回りづらくなっていました。
結局ストラップホール以上の使い方は特にありません。単なるオブジェです。
付属電池は天下のFDK製。
シリアルナンバーとマイコン書き換え端子は健在。
1R10000905
4RB1001221
4RB1001264
この例を見ると最初の4桁がロット番号というかモデルナンバー、下6桁がシリアル番号でしょうかね。
筒の構成は透明、導光棒、キラキラシートです。
「導光棒とは?」
アクリル樹脂などの透明樹脂の内面反射を利用して、片側から入射した光を他方へ効率よく導く物です。(引用元:コルコートタイランド)
「導光体」「ライトガイド」「光ガイディングバー(商品名)」で検索すると色々出てきます。
ISフリフラにはこの導光棒が市販ペンライトとしては(恐らく)初めて採用されています。アクリル樹脂などの透明樹脂の内面反射を利用して、片側から入射した光を他方へ効率よく導く物です。(引用元:コルコートタイランド)
「導光体」「ライトガイド」「光ガイディングバー(商品名)」で検索すると色々出てきます。
導光棒の断面に直接LEDの光が入る仕組みとなっています。
ほっちゃんフリフラには拡散レンズが邪魔で入りませんでした。
導光棒の表面はフロストガラスのようなザラザラした加工になっています。
左が導光棒あり、右が導光棒なしです。
発光ムラが全く違うのがわかりますよね。導光棒なしの方が局所的な照度では有利ですが、やはりペンライトは全体が均一に光った方が綺麗です。(個人の理想です)
そして導光棒のメリットはもう一つあり、
合成色での色ムラが少なくなります。入射面で収束して導光棒の表面全体に拡散している故のメリットです。
発光ムラのひどいルミエースライトも導光棒を採用して欲しいぐらい画期的な構造だと思いました。
先端処理は必要ない感じです。
■操作性■
ほっちゃん版と同じなのでそちらのレビューを参照してください。
なお、今回のISワンオフイベントにほっちゃん版のフリフラを持っていった人の話によると無線制御に反応しなかったとのことです。
考えられる要素としては、
・無線のチャンネルが異なっていた
・DMX-512のプロトコルが異なっていた
・受信もできていてDMX-512もデコードできていたが、フリフラ本体のIDでガードしていた
でしょうか。・DMX-512のプロトコルが異なっていた
・受信もできていてDMX-512もデコードできていたが、フリフラ本体のIDでガードしていた
環境を再現できないのであくまで推測でしかありませんが。
■発色■
左からルミエースライト(マット、キラキラ)、ほっちゃんフリフラ、ISフリフラ、IS(導光棒なし)です。
ISフリフラは透明筒+キラキラフィルムシートなのでほっちゃん版と比べて、(特に明るい照明下での)発色が有利となります。
■ブルー
■レッド
■グリーン
■ホワイト
ホワイトはほっちゃん版の方が綺麗でした。
■オレンジ
■パープル
■ピンク
ピンクはIS版(導光棒あり)が一番綺麗です。
■イエロー
■照度・消費電流■
安定化電源3.0V時の値になります。
各色ごとの消費電流値も測りました。何かの参考にしてください。(電源電圧3.0V)
色 | 消費電流値[mA] | |
ISフリフラ | 堀江由衣 | |
ブルー | 70 | 70 |
レッド | 70 | 70 |
グリーン | 70 | 70 |
ホワイト | 120 | 120 |
オレンジ | 80 | 70 |
パープル | 80 | 80 |
ピンク | 70 | 70 |
イエロー | 80 | 80 |
昇圧回路の特性、電源電圧による起動時の挙動の違いもほっちゃん版と全く同じでした。
照度は当blogの「コンサート用ペンライトの照度比較」と同様の方法で測定した結果です。
色 | 照度[lx] | |||||
ISフリフラ | 堀江由衣 フリフラ |
ルミエースライト(1.5V) | ||||
導光棒なし | 導光棒あり | ほっちゃんの筒 | キラキラ | マット | ||
ブルー | 24 | 20 | 18 | 11 | 20 | 14 |
レッド | 14 | 13 | 10 | 5 | 11 | 8 |
グリーン | 20 | 17 | 14 | 10 | 14 | 9 |
ホワイト | 52 | 45 | 38 | 24 | 41 | 29 |
オレンジ | 16 | 14 | 11 | 6 | 13 | 9 |
パープル | 29 | 25 | 22 | 13 | 28 | 20 |
ピンク | 19 | 17 | 13 | 7 | 22 | 15 |
イエロー | 27 | 24 | 20 | 12 | 22 | 15 |
これはほっちゃん版フリフラには
拡散レンズがあるためで、あそこを通ることによって光量が落ちていると推測できます。(レンズを外してLEDの光を直接測定したいのですが、分解できず)
拡散レンズがどれほど役立っているか見るため、ISフリフラにほっちゃんの筒を取り付けてみました。
フリフラ自体の絶対的な光量が足りないため、レンズで無理に拡散させるよりそのまま照射した方が良いように見えます。この結果を踏まえてISフリフラでは導光棒になったのかも知れませんね。
なお、拡散レンズが全く役に立っていないわけではなく、
光源をISフリフラ(レンズなし)にした場合は、根本付近に影ができます。
他に重要なのは他のペンライトとの兼ね合いです。
今回のISイベントはフリフラ強制というわけではありません。あくまでグッズとして販売されました。
冒頭でも述べたようにこの手の無線制御式ペンライトは「ほぼ全員が」使わないと演出の意味がなくなりますし、隣にフリフラより明るいペンライトを並べたら見えなくなってしまいます。
右はキンブレX10IIのブルーです。単色ではもっと明るいペンライトもあります。
当blogの立場としては「必要以上に明るいペンライトは如何なものか?」という考えなのですが、逆に暗すぎるペンライトというのも考えものです。
パワーLEDを採用したフルカラーペンライトが広く普及してしまった現在、会場の大きさ、イベントの規模に関わらずどこでもキンブレX10、カラフルサンダーetcを見るようになりました。
montaは小さい会場では明るさ控えめなボタン電池式のペンライトを好んで使っているのですが、そう言った考えが浸透しているわけではありませんし、今後浸透するとも思えません。
ですので、今回のように無線制御式ペンライトと市販ペンライトが混在する事態を考慮してもう少し光量をアップしてはどうでしょうか?
現在のフリフラの明るさは一般的なボタン電池式ペンライトである大電光よりも下です。
単4を2本使うならせめてカラフルプロ110ぐらいの明るさは欲しいところです。
もう一つ重要なのは無線制御の演出です。
今回のISワンオフイベントはライブ以外にトークパートもあったのですが、そこでは強制消灯されていたとの話です。
(フリフラの優先度は無線制御下の消灯命令>ユーザーモード)
キャストが何か喋ればそれに応えたくなるのが我々の性分ですが消灯していては手も足も出ませんね。
結局その方は予備の市販ペンライトで対処したとのことでした。
だからと言ってトークパート時もキャストが喋る順に色が自動で切り替わるのも興醒めなので、ライブパート以外は無線制御を解くようにしてくれるだけで良いかと思います。
※ライブパートはライブパートで「曲の途中で色がコロコロ変わって何色を振っているのか分からない。逆に色に統一感がない」という問題も聞いています。
この問題は「アニソン、声優現場に無線制御が必要なのかどうか」というそもそもの議論にまで及びます。例えばアニサマでは無線制御がなくとも色は揃っていましたよね。(正しい色だったかどうかは置いておく)
個人的に無線制御に求めるのは「色の統一」よりも、
こういった「演出面」での活用ですね。
引用元:ナタリー – L’Arc-en-Ciel国立競技場に帰還「全力でかわいがってやる」
■分解■
※分解及び改造行為を行ったペンライトは安全性が保証できないためライブ会場に持ち込まないでください。
分解方法はほっちゃん版と同様です。
電池蓋を開けてネジを3つ取り外し、レンズ付近のツメを内側に押し込むことで本体を開くことができます。
パーツ構成も変りません。
マイコンはTiのMSP430F2272、RFレシーバーはSILICON LABSのSi4313。共にほっちゃん版と変わりません。
シルクもNODE2 M-112-139-01のままです。
この低背を徹底した基板は相変わらず美しいですね。
砲弾型LEDが見えますが、これ以上分解するには部分的に切除する箇所があるのでやっていません。
■まとめ■
■良い点
・導光棒による色ムラの均一化
・昇圧回路で明るさが一定
■賛否両論
・色を勝手に制御される
→特に運営側の意図と客席の思いが異なると違和感が大きい
■悪い点
・価格が高くなった
・全長が29cmのためレギュレーションに引っかかりやすい。
・他の市販ペンライトとの兼ね合い
行ってきた人の感想の総意では「無線制御も万能ではない」という感じでしょうか。・導光棒による色ムラの均一化
・昇圧回路で明るさが一定
■賛否両論
・色を勝手に制御される
→特に運営側の意図と客席の思いが異なると違和感が大きい
■悪い点
・価格が高くなった
・全長が29cmのためレギュレーションに引っかかりやすい。
・他の市販ペンライトとの兼ね合い
始めから演出として入念に組み込まれているならまだしも、他市販ペンライトの持ち込みが多数であったり、発光パターンも「何となく光らせてみた」的な意図では無線制御の良さを活かせないようです。
とは言え無線制御ペンライトは今後も進化が期待できる分野であり、例えばキンブレRAVEが紅白に投入されたり、民放の歌番組で使われていたりなど(客席の練度が低い場合に)有効なのは間違いありません。
無線制御という「目新しさ」だけで評価できるフェーズは既に終わり、今は「どう上手く活用するか」という所に来ています。