2014 年 7 月 26 日

[レビュー]4色LED(RGB+W)搭載ペンライト「ミックス・ペンラ-HB」


[最終更新:2014.07.26 PM15:40]


メーカー ターンオン有限会社
発売日 2014年06月22日
定価 2106円(税込み)
購入日 2014年06月22日
購入店 でらなんなん
購入価格 1950円(税込み)
ラインナップ 4種(ネオン、キラキラ×長さ2タイプ)
光源 砲弾型0.5WパワーRGBW LED
プリセット色 レッド、エンジレッド、ブルー、ライトブル、アクアブルー、
イエロー、ライトイエロー、オレンジ、グリーン、ライトグリーン、エメラルドグリーン、
ピンク、ピーチ、サクラピンク、バイオレット、パープル 、ホワイト
電池 単四電池x3
光量切り替え なし
先端処理 あり
フリッカー、色分離 なし
連続点灯時間
(メーカー公表値)
8~12時間
全長 Basic-Type:24cm
S-Type:19.3cm
重量 Basicキラキラ:82g(電池含む)
Basicキラキラ:49g(電池含まず)
持ち手:31g(電池含まず)
ストラップの有無 付属
定電圧・定電流回路 なし
ロット情報 不明
公式サイト ターンオン MIX PENLa-HB


ターンオン派の方もそうでない方もお待たせしました。


ミックス・ペンラ-HB(MIX PENLa-HB)の登場です。
ペンラ-HB最大の特徴は、


4LED(RGB+白色LED)を搭載していることです。
ターンオンは昨年6月にカラフルPRO110という同じく4LED(RGBW)のボタン電池式ペンライトを発売しましたが、残念ながらカラフルPRO110は白色が全LEDが発光していてキレイとは言えない代物でした。
ペンラ-HBは白色を改善させ、さらなる機能追加をしたものとなります。
なお、カラフルPROも後継機種としてペンラ-PROが7月27日に発売される予定となっています。
現在出回っている一般的なフルカラーペンライトのスペックを表にしました。
  ペンラ-HB ペンラ-PRO カラフルPRO110 カラサン220 キンブレX10II ルミエース2 ルミエースライト
定価(税別) 1950円 1850円 1700円 3000円 3000円 2700円 1200円
LED 4(RGBW) 5(RGBWY) 4(RGBW) 3(RGB) 3(RGB) 3(RGB) 3(RGB)
電池 単4×3 LR44x6 LR44x6 単4×3 単4×3 単4×3 単4×1
ボタン数 2 2 1 4 2 3 1
色の逆送り △(難あり) ○(予約機能で代用)
色の自動ロック
(誤爆防止機能)
✕(ボタンが底面なので
誤爆は少ない)
○(予約機能で代用)
明るさ調節 ○(2段階)
配色のユーザー定義
ユーザー配色と
デフォルト配色の切り替え
明るさで言えばペンラ-HBはカラフルPRO110以上、カラフルサンダー220以下という位置づけのようです。カラサン220をフルスペックとするなら、そこから必要な機能のみを抜き出してさらに洗練させたのがペンラ-HBとなります。
他の特徴は以下の通り(ターンオンWebから引用)



気になるのは以下の注意書きです。
安心安全 体に触れる外装に「メッキ処理加工/外装塗装」(※1)や
「先端を塞ぐ装着物(※2)等を一切使用していません

(※1)個人差はありますが、”メッキ”に含まれる”金属類”は”汗・体液”により溶け出し、
皮膚から体内に浸透して”金属アレルギー”を引き起こす要因とされています。

(※2)多くの”オフィシャル”現場では、先端に別途装着するものは
要因・要素となるとして、”危険”と認識されています。


スターセイバー極太「せやな」

これは明らかに他社製品の特徴を卑下したある種の比較広告でして、自社製品の優位性を啓蒙的に説いているわけですね。
内容の真偽についてのコメントは差し控えます。


■パッケージ■
パッケージスキャンです。


これまでのパッケージよりも英単語が増えています。



パッケージ裏にはM-Type筒のラインナップも記載されていますが現在発売されているのは、BasicとS-Typeのみです。後述の発光ムラを見るとBasicよりもM-Typeを発売した方が良さそうです。

■外観■


全長は24cmで従来の単4電池タイプでお馴染みだった25cmラインを1cmも短縮しています。
持ち手のグリップはカラフルサンダーにあった「面」がなくなり滑らかな曲線となりました。



ボタンは裏面の2ボタンに集約。底面ボタンはありません。
カラサン220の4ボタンは流石に多すぎだった気がしますね。



「CONCERT PENLIGHT」のシールは個人的にはカラサン220がメタリックなレインボーで好きです。



持ち手が細くなりそのほとんどが電池室に。
底面ボタンがなくなったので全長の短縮化にも繋がりました。


■改良された光学設計■


ペンラ-HBで一際目を引くのがこの大きな半球面レンズです。
このレンズが4LEDを筒に均等に照射する要と言えます。


レンズユニットはスクリューレスで取り外し可能です。



半球面の集光レンズ、拡散シート。
この集光レンズ、一般的なペンライトの中ではかなり巨大で


これだけで2.7gもあります。
さらに分解を進めると収束リフレクタが現れます。



1.収束リフレクタで4LEDのバラバラな光を一定方向に収束
2.収束させた光を拡散シートによって滑らかに混合
3.集光レンズによって狭い照射角度に絞る
という手順を踏んでいるわけですね。
これのおかげで「筒の根本に混合色の原色が見える現象」が大幅に改善されました。(イエローは相変わらず赤色が見えるのでペンラ-PROだと黄色LED採用に踏み切ったのかも知れません)

ただしS-TypeもBasicも同じ光学設計なため、筒が長いBasicだと発光ムラがあります。


Basicは先端まで発光が均一ではありません。絶対的な光量が足りないというも原因の一つです。
均一な発光重視であればS-Typeをお選びください。M-Typeも実用性十分ですが単体では発売されていません。
やはり先端からの反射を利用するのは発光ムラの改善に有用です。

先端と言えば先端処理も改良されています。


ペンラ-HBの先端はキラキラタイプであってもラメ感がなくなり均一な発光となりました。これは先端を覆うパーツがこれまでのスポンジから拡散シート+ゴムパッキンのような弾力性のある素材に変わったことによります。


これにより高品位な先端発光が実現できました。
また、ゴムパッキンのような素材の形状も凝っており、


筒の凹凸にフィットするようになっています。これまでのスポンジだと無理に押し込んでいたためスポンジが変形してフィルムシートとの間に隙間ができることがありました。
地味な改良ですが先端まで綺麗な発光をさせようとする信念は素晴らしいです。
比較するわけではありませんが、同時期に発売されたルミエース2の先端が、


全く光らないスポンジだったのは残念です。

■操作性■
操作マニュアルは公式からPDFをダウンロードできます。



2ボタンに集約されたことでカラサン220(4ボタン)よりも操作が簡単になったと思います。
カラサン220の時は電源ONと色の切り替えで持ち方を変える必要がありましたからね。

点灯までのラグは0.5秒、消灯まで2秒となっておりカラサン220、カラフルPROと同じ仕様のままです。もうこれが完成形でしょうね。
他、配色のユーザー定義、モード切り替えは操作マニュアルをご覧ください。
色の順番はカラフルPRO110と同様で、
1. レッド → 2. エンジレッド → 3. ブルー → 4. ライトブルー →
5. アクアブルー → 6. イエロー → 7. ライトイエロー → 8. オレンジ →
9. グリーン → 10. ライトグリーン → 11. エメラルドグリーン →12. ピンク →
13. ピーチ → 14. サクラピンク → 15. バイオレット →16. パープル →17. ホワイト
の順です。
※2.エンジレッドが2.ローズになるとカラサン220になります。
※16.パープルはカラフルPRO110だとラベンダーパープル表記です。

配色のユーザー定義ができるようになったのでカラフルPROのような「似たような色が多すぎる!」というジレンマを好みにカスタマイズできます。ぜひご利用ください。

また、ボタンの配置についても改善が見られます。


カラサン220で誤爆(振っている最中に指が触れて色変更してしまう)が多かったボタンは凹まった配置になりました。
また、そもそも「色の自動ロック機能(点灯から11秒後に操作ロックされる)」が実装されたので、誤爆することはほぼなくなったはずです。
ロックの解除はボタンを素早く2回連打します。ロックに慣れるまでは「色を変えたつもりが変わってなかった」ということが現場であるはずです。
カラサン220で誤爆したことがなかった人にとっては「余計なお節介」とも言える機能かも知れません。
余談ですがこのレビューを作成するにあたって色を頻繁に変える必要があるのですが、このロック機能が邪魔になったことが幾度もありました。(一部の人向けな機能ですが)自動ロックの有無を選べるとさらに良いですね。

あとは持ち手がカラサン110、220から1cm短縮されたことにより「持ち方」も変わりました。


従来のように通気口を塞がない持ち方だと小指が余ると言いますか、置き場がなくなります。
なので持ち方としては単4×3のペンライトよりもボタン電池式のペンライトに近くなったと言えます。
この辺りの違和感は「慣れ」かと思います。

■発色■
まずは一覧を御覧ください。
■ミックス・ペンラ-HB全色(LEDの組み合わせ有り)



■カラフルPRO110全色(LEDの組み合わせ有り)



■カラフルサンダー220全色



続いて各色を見ていきます。
※ロット違い、LEDの個体差により写真と同じ色になるとは限りません。あくまで目安として参考にしてください
■レッド、エンジレッド


エンジレッドはややピンクがかった赤色になります。
カラサンのローズほど分かりやすい変化ではありません。

■ブルー、ライトブルー、アクアブルー


ライトブルーがこれまでのターンオンの色バランスから大きく変わって「薄紫色」なので「水色」が必要な方は要注意です。
アクアで代用できるかは演者の指定色と相談してください。
余談ですがライトブルーを初めて見た時はこれまでのフルカラーの感覚から「これが白か」と思ってしまったほどです。

■イエロー、ライトイエロー


ペンラ-HBは黄色LEDを積んでいないためこれまでのフルカラーと大差ありません。
ペンラ-PROに期待しましょう。
ライトイエローはカラサン220が緑が強め(薄い黄緑色)でしたが、ペンラ-HBでは赤色が強めになりました。

■オレンジ


普通にフルカラーのオレンジ色です。
UO、大閃光オレンジ的な使い方をするなら白色LEDの高出力タイプをお求めください。
(逆に言えばオレンジが基本色ならこれで十分です)

■グリーン、ライトグリーン、エメラルドグリーン


ライトグリーンとエメラルドグリーンの差はカラサン220だと分かりやすい変化でしたが、ペンラ-HBでは明るい(エメラルドグリーン)か暗い(ライトグリーン)かの違いしか感じられませんでした。
(厳密にはエメラルドグリーンの方が白が強めです)

■ピンク、ピーチ、サクラピンク


サクラピンクはカラサン220から大きく変わりました。
カラサン220のサクラピンクは電池切れ間近の白色のようでキレイだと思ったことはありませんが、ペンラ-HBはPaleVioletRedに近い色となりました。
■バイオレット、パープル


カラサン220と同様です。

■ホワイト


単色の白に匹敵する純白がついにフルカラーペンライトで再現できる時代となりました。
白色LEDにも「色温度」があり、サンダー220の青白い昼光色よりも落ち着いた昼白色となりました。
個人的な好みではペンラ-HBの色温度よりもやや高めなキンブレのシャイニングホワイト、SuperTubeホワイトが好みです。キンブレ基準にすればペンラ-HBキラキラの白はシルバーに見えます。
■彩アップシートについて

ペンラ-HBキラキラの初回購入特典で「彩アップシート」という透明なシートがもらえました。


原色だと効果があまり分かりません。



中間色だと「ラメ感が減って色が少し濃くなったかなぁ?」と思う程度なので、入手できなくとも後悔することはないと思います。
(単に暗くなっただけなのでは……?という疑惑も)

■照度、消費電流値■
※ロット違い、LEDの個体差により同じ電流値、照度になるとは限りません。あくまで目安として参考にしてください
安定化電源を4.5Vに設定した場合の消費電流値、照度を測定しました。
どの色が電池を消耗するかの目安にしてください。
照度の測定方法は「コンサート用ペンライトの照度比較」ページに準拠しています。

電源は安定化電源4.5Vです。
10cm照度[Lx]
カラフル
プロ110
キラキラM
ペンラ-HB
(キラキラ
Basicサイズ)
カラサン220
キラキラ
キンブレX10II
シャイニング
Low High
1.レッド 28 85 74 126 138
2.エンジレッド 29 96      
3.ブルー 35 197 163 273 337
4.ライトブルー 47 220 221 370 439
5.アクアブルー 45 219 330 547  
6.イエロー 46 141 191 317 299
7.ライトイエロー 49 145 252 414  
8.オレンジ 23 97 98 162 166
9.グリーン 23 132 98 162 242
10.ライトグリーン 31 145 113 186 327
11.エメラルドグリーン 35 185 229 381  
12.ピンク 31 103 95 159 237
13.ピーチ 39 109 81 137 262
(ライトピンク)
14.サクラピンク 69 170 177 295  
15.バイオレット 40 173 163 272 352
(パープル)
16.パープル 45 167 166 278 325
(バイオレット)
17.ホワイト 76 223 327 551 428
消費電流値[mA]
カラフル
プロ110
ペンラ-HB カラサン220 キンブレX10II
Low High
1.レッド 34 160 130 210 150
2.エンジレッド 35 170      
3.ブルー 23 190 140 220 170
4.ライトブルー 32 180 180 290 270
5.アクアブルー 30 230 260 420  
6.イエロー 45 200 220 350 260
7.ライトイエロー 47 200 260 430  
8.オレンジ 26 160 150 240 170
9.グリーン 22 190 150 240 160
10.ライトグリーン 28 180 100 150  
11.エメラルドグリーン 30 210 200 320  
12.ピンク 36 160 150 240 210
13.ピーチ 39 180 120 200  
14.サクラピンク 54 200 210 330  
15.バイオレット 29 180 150 240 230
16.パープル 56 190 200 320 230
17.ホワイト 56 180 300 520 290
カラサン220のLowモードと同程度な明るさとなっています。
LEDですが隣のカラフルPRO110と比較すれば分かるように、どう見ても普通の砲弾型LEDを積んでいるようには見えません。
これはパワーLEDの明るさ、消費電流です。
※パワーLEDの厳密な定義はありませんが、各メーカーや通販サイトの分類を見る限り0.5W以上からパワーLEDと呼ぶことが多いようです。
早速分解してみましょう。

■分解■
※分解及び改造行為を行ったペンライトは安全性が保証できないためライブ会場に持ち込まないでください。


ヒートシンクはありません。



通気口付近にはメッシュが貼ってあります。
推測ですが少量の汗などが侵入してもここでガードさせるように配慮したものと思われます。



配線はRGBW+GNDの黒



注目のLEDですがやはり普通の砲弾型とは違い、パワーLEDのような巨大なチップから視認できるほどのボンディングワイヤが飛び出しています。
推測ですが0.5WパワーLEDのチップを砲弾型樹脂でモールドしたものではないでしょうか。
気になる発熱ですが、28℃の室温で15分ほど点灯させると通気口付近が37℃程度にやんわり温かくなりました。
ヒートシンクがない(=細い脚からしか放熱できない)のがいささか不安でしたが、発光効率の良いLEDを選定しているのかも知れません。

■まとめ■
■良い点
・フルカラー初の白色LED単体発光
・カラサンと比較して小型、軽量
・明るさも実用十分な値を確保
・配色も自由に設定可能
・実売価格が2000円以下

■一長一短
・色の自動ロック機能
・筒の長さがBasicよりもM-Type、S-Typeの方が発光ムラがなくキレイ
■悪い点
・ライトブルーの発色が薄紫
過去に微妙だった点は必ず改良してくるメーカーですね。
機能の洗練化、先端処理の地道な改良などターンオンの本気度合いが伺えるペンライトです。
フルカラー最大の弱点だった白色が改善されたので、(個人的には)これまでの最低装備である「フルカラー1本、単色ホワイト1本、高輝度オレンジ1本」計3本が「フルカラー1本、高輝度オレンジ1本」計2本に集約できます。

また、明るさにしても管理人としては実用するにはこれで十分だと考えています。

Filed under: ペンライトレビュー — monta @ 15:26