[最終更新:2015.09.01 AM00:35]
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キングブレードX10III |
アニサマSupernova |
ミックス・ペンラ-雷 |
メーカー |
ルイファン |
ターンオン |
ターンオン |
発売日 |
2015年8月 |
2015年8月 |
2015年4月 |
LED数 |
4(RGBW) |
5(RGBWY) |
5(RGBWY) |
価格(税込) |
3780円 |
3800円+2300円 |
3294円 |
電池 |
単4×3本 |
単4×3本+専用電池 |
単4×3本 |
デフォルト色 |
15色 |
11色 |
24色 |
全長 |
25cm |
26cm(合体時32cm) |
24.7cm |
ボタン配置 |
底面 |
側面 |
側面 |
色の並び替え |
対応 |
– |
対応 |
ボタンロック |
– |
– |
対応 |
明るさ切り替え |
– |
– |
対応(2段階) |
特殊機能 |
色チューニング |
合体! |
– |
今年のアニメロサマーライブ公式ペンライトはターンオン製になりました。(2013、2014はルイファンのキンブレがベースでした)
このペンライト最大の特徴は
「合体」です。まずは以下の動画をご覧ください。
別売りの専用電池である「Sparkle Charger(スパークルチャージャー)」を接続すると(シャキーン!)という効果音の後に
「合体!!」と喋ります。
……すごいです!!びっくりしました。考えた人は天才かも知れません。
しかもスパークルチャージャー(税込み2300円)は
「(約50分で)使い捨て」であり、充電機能などという小洒落たモノは搭載されていません。
……すごいです!!後に引けない窮地で放つ必殺技みたいです!考えた人はロボットアニメの見過ぎかも知れません。
前置きはこの辺にしておきましょう。
レビューの前に結論から言ってしまうと、ターンオンのミックス・ペンラ-サンダーを持っているならば買う必要もありませんし、これから買うならミックス・ペンラ-サンダーの方が安くて高機能です。
早い話が「完全にネタアイテム」で、「実用性よりも珍しいペンライトをコレクションしたい愛好家向けの逸品」と言えます。
■マニュアル■
[Supernova Motherbase]
[Sparkle Charger]
いつものターンオン製品に同梱されているマニュアルがベースとなっていますが、特筆すべきは「電池交換の目安や、静電気に対する対策」が書いてある点です。
家電のマニュアルによく記載されているいわゆる「故障かな?と思ったら」ページと同じように、まずは状態確認することを勧めています。静電気云々に関しては以前ももクロの国立競技場ライブで売ったカラサンが異常動作したことから記載するようになったのかと思われます。
「ストラップはおまけとなります。よろしければご利用ください」という謎の注意書きもありました。
■外観■
Supernovaのベースとなっているのはターンオンの最新フラグシップモデル「ミックス・ペンラ-サンダー」です。
パワーLEDもペンラ-サンダー同様にターンオン脅威のメカニズム、5LED(RGBWY)仕様になっています。
全長を比較します。
Supernovaの全長は26cmで、この時点で一般的なレギュレーションである25cmを超えていることから、今年のアニサマのレギュレーションは
全長30cmまでに改定されています。……あの、合体すると32cmになるのですが。
重量は電池、ストラップを含まない状態で、
・マザーベース:88.2g(本体69.6g + 筒18.6g)
・スパークルチャージャー:69.5g
・合体時(電池込み):168.8g
でした。
専用電池(スパークルチャージャー)を見ていきます。
スパークルチャージャーとマザーベースは2接点で接続されます。
電圧は5.8V出ていました。恐らく6V(3Vx2?)のリチウム一次電池に近いものが入っていると思われます。
ネジを4本外すことである程度分解できますが、ここからはどう分解すればいいのかわかりませんでした。なお、分解中にツメが折れてしまいましたが安定性に特に支障はないようです。
2015-09-01追記
無理やり分解した方の情報によれば電池は単4×4本が入っているとのことです。
裏側を見ていきます。
ミックス・ペンラシリーズ特有の2ボダン仕様ですが、ボタンの色は黒から白になっています。
ペンラシリーズには誤操作防止用に(振っている最中に誤って色が変わらないよう)、一定時間操作をしないとボタンがロックされる仕組みがありますが、Supernovaにはロック機能がありません。振っている時に指で押してしまわないようご注意ください。
なお、合体中に消灯した場合、
合体を解除しないと電源ONにできないのでご注意ください。
また、電池交換の方法も変わっています。
ターンオンと言えば底を回すことでネジ蓋が開く構造でしたが、Supernovaではキンブレのようにネジ留め式になりました。ここは残念と思う人が多そうですね。
電池は単4×3本ですが、
4本目が入ってもおかしくない配置でした。発売前の通販ページでは、
単4×4本仕様だったので、当初は本当に4本入る仕様だったのかも知れません。
■温度■
合体させて5分後(強制冷却による自動消灯時)の温度です。
通気口付近が39.3℃に達しました。(室温30℃にて計測)
ちなみにこのサーモグラフィ画像は、
楢ノ木技研のUSBサーモグラフィモジュール(1万5500円)とWebカメラを組み合わせて撮影しています。個人でも安価にサーモグラフィが撮影できるなんていい時代になりました。
■発色、色度■
プリセット全11色の一覧です。
上からレッド、ブルー、アクアブルー、イエロー、オレンジ、グリーン、ペパーミントグリーン、ピンク、サクラピンク、バイオレット、ホワイト。
次に各色を見ていきます。
比較対象はキングブレードX10III(シャイニング)、ミックス・ペンラ-サンダー(キラキラ)です。
■1.レッド
■2.ブルー
■3.ライトブルー
上3色は大差ありません。
以降はスペクトルを測定し色度も掲載します。
スペクトルは分光放射測定器「UPRtek MK-350N」を使用し、光源から10cmの距離で測定します。(写真では室内照明が点灯していますが実際には暗闇で測定)
ちなみにこのMK-350Nのお値段は17万円ほどでした。(かなり無理をしています……)
MK-350Nが出力するグラフの見方を説明します。
重要なのは
・光スペクトル分布
・CIE193色度図
の2つです。
光スペクトル分布はどの波長(色)がどれほどのエネルギー比率で放出されているかを示しています。
CIE1931色度図はスペクトル分布を踏まえて、実際に人間が見える色としてグラフに起こしたものです。山状のカーブを「スペクトル軌跡」と呼び、そこに近づくほど純度の高い鮮やかな色となります。
色温度は白色を比較する際に使用します。
■4.イエロー
Supernovaとペンラ-サンダーは黄色LEDを搭載していることからスペクトルのピーク発光波長λPが573nmを中心としてキレイに山になっていますね。これが見られるだけでも測定器を導入したかいがありました。
かといってX10IIIの方が黄色に見えないかと言うとそうではなく、色度で見ればどちらも遠くない距離にいます。演色性(物を照らしたときの色)になるとまた変わるのでしょうが、そこは考慮しません。
■5.オレンジ
これも黄色LEDを使っているSupernovaは有利で、黄色に近いオレンジ色になっています。
■6.グリーン
ペンラ-サンダーのグリーンはややエメラルドに近い色でしたが、SupernovaではλPが530nm付近の正統派グリーンになりました。(測定器すごい!)
■7.ペパーミントグリーン
X10IIIにはペパーミントグリーンがないためライトグリーンで代用しています。
ライトグリーンは水色に近く、ペパーミントグリーンは黄緑に近い薄緑となっています。
■8.ピンク
Supernovaは赤にやや寄ったピンクになります。
■9.サクラピンク
X10IIIにはサクラピンクがないためライトピンクで代用しています。
色度図を見るとサクラピンクは白に近づいているのがわかります。
■10.バイオレット
X10IIIとSupernovaの差は少ないです。
■11.ホワイト
全て白色LEDを使っていますが、色温度(K:ケルビン)は大きく異なります。
X10IIIは20000K近い青みがかった色(アクアリウムなどで使われます)、Supernovaは8500Kで青白い色、ミックス・ペンラ-サンダーは6100Kでほぼ昼光色となります。
どれが正解というわけでもありませんが、X10IIIは客観的データで見てもやはり青いかと。
ただ、目の錯覚でX10IIIを暗闇でずっと使った後にペンラ-サンダーを見ると黄ばんでいるように見える現象が起きます。ぜひお試しください。
■EX.スパークルオレンジ
合体時に発動する注目のスパークルオレンジですが、これがオレンジかというと恐らく大半の方は「黄色」と認識するのではないでしょうか。もしくは黄金ですか。
UO、大閃光オレンジを折った直後のピーク時とも異なる色です。
しかも照度を測ると明るさは単色ペンライトに劣るので、イマイチどうスパークして良いのか困りどころです。個人的には「合体!!」というカッコイイボイスを鳴らしてまで光らせる色ではないですね。
■照度、消費電流値■
※ロット違い、LEDの個体差により同じ電流値、照度になるとは限りません。あくまで目安として参考にしてください
安定化電源を4.5Vに設定した場合の消費電流値、照度を測定しました。
どの色が電池を消耗するかの目安にしてください。
照度の測定方法は
「コンサート用ペンライトの照度比較」ページに準拠しています。
電源は安定化電源4.5Vです。
色 |
10cm照度[Lx] |
キンブレX10III シャイニング |
アニサマSupernova キラキラ |
ペンラ-サンダー キラキラ Highモード |
1.レッド |
140 |
123 |
143 |
2.ブルー |
255 |
295 |
346 |
3.アクアブルー |
338(ライトブルー) |
254 |
294 |
4.イエロー |
202 |
140 |
159 |
5.オレンジ |
153 |
125 |
155 |
6.グリーン |
190 |
146 |
202 |
7.ペパーミント グリーン |
155(ライトグリーン) |
181 |
206 |
8.ピンク |
186 |
131 |
149 |
9.サクラピンク |
208(ライトピンク) |
165 |
167 |
10.バイオレット |
238 |
253 |
290 |
11.ホワイト |
371 |
206 |
213 |
EX.スパークルオレンジ |
|
406 |
|
色 |
消費電流値[mA] |
キンブレX10III |
アニサマSupernova |
ペンラ-サンダー Highモード |
1.レッド |
300 |
250 |
270 |
2.ブルー |
270 |
300 |
300 |
3.アクアブルー |
390(ライトブルー) |
290 |
290 |
4.イエロー |
360 |
280 |
270 |
5.オレンジ |
330 |
280 |
290 |
6.グリーン |
280 |
240 |
240 |
7.ペパーミント グリーン |
220(ライトグリーン) |
260 |
260 |
8.ピンク |
370 |
240 |
260 |
9.サクラピンク |
410(ライトピンク) |
250 |
260 |
10.バイオレット |
310 |
280 |
290 |
11.ホワイト |
270 |
260 |
280 |
■まとめ■
■良い点
・5LEDなので発色は良い
・ターンオン製なので筒の互換性はある
■一長一短
・前代未聞のボイス機能
→コストを上げてまで実装する必要があったのか疑問
→→話のネタにはなります
・スパークルオレンジの使いドコロ
■悪い点
・価格が高い
・スパークルチャージャーが使い捨て。電池が切れたら二度と合体できない
・重い、長い
・ミックス・ペンラにあったボタンロック機能がない
普通のペンライトに飽きてしまったペンライト愛好家の方はぜひお買い求めください。
一般の方はミックス・ペンラ-サンダーが買ったほうが安くて高機能です。