2008 年 4 月 3 日

USBサウンドデバイス:M-AUDIO 『sonica』 & Audiotrak『OPTOPlay』




DTM用のオーディオカードからキーボード、ミキサーまで幅広く販売しているM-AUDIOの『sonica』というUSBサウンドデバイスが手に入ったのでレビューします。


こんにちは、montaです。


見ての通り、箱が半壊した中古品でお値段の方は2000円ほどでした。
日本での発売は2002年の8月下旬(PC Watch)だったようです。当時の店頭価格は1万円弱程度。
さすがM-AUDIOだけあって結構なお値段がしたようです。(実際のところM-AUDIOのポジションってプロへの入門向け製品量産メーカーみたいな感じなのですが。所詮、さらなるステップアップのための踏み台に過ぎないポジション…)




スペックとしては、
カテゴリ:USBオーディオデバイス
出力:アナログライン出力 x1 (24bit 96KHz DAC搭載) S/N比 97dB
    光デジタル出力 x 1 (24bit 96KHz 対応) (ドルビーディジタル5.1chやdtsのパススルー可)
    
その他:バーチャルサラウンド技術『TruSurround XT』搭載
という非常にさっぱりしたものとなっております。
DTM機器メーカーのM-AUDIOのクセして、ASIOにも対応しておりません。



ライン出力と光デジタル出力の2つだけ。ライン出力は3.5mm



USB タイプBコネクタと付属のケーブル。




周りが青いボディなのに青色LEDを付けるセンスが解りません…。これでは青色LEDの視認性の良さが全く発揮できませんw

ここで写真レポートが終わるのが普通のサイト。
monta@siteは技術系評論サイトを目指すので当然分解します(゚∀゚)




普通にもっと小型化できるであろう基板。まぁ、あまりに製品が小さいと信頼されなくなるのでこれぐらいがいいのかも知れません。




DACは旭化成エレクトロニクスのAK4353VF スペック上のS/N比は102dB。
近年のサウンドカードにおける旭化成DACのシェアは異常です。それもこれもラインナップにそこそこの品質の安い製品からハイエンドまで網羅されているからなのですが。(このAK4353は安い方に属すはず。)




USBオーディオコントローラはTexas InstrumentsのTAS1020A



8ピンのDIPソケットだったので一瞬「まさか、出力段のオペアンプを取り替えられる仕様なのか!?」と思いましたが、この24LC64はただのEEPROMだったようです。残念。



光デジタル用のTOSリンクは東芝のTX141P




コンデンサは粗悪品。もう少し何とかしてよM-AUDIO…。



『USB AUDIOSPORT』はM-AUDIOのUSBオーディオデバイスのシリーズ名。後ろの『MD1』はおそらく開発コード名でしょう。



設計は2001年に完了していたようです。



ドライバは現在でもM-AUDIOのサイトからダウンロードできます。(たぶんオフィシャルのドライバを入れなくても、OS標準のUSBオーディオドライバで動作すると思います。)
2chスピーカでサラウンド感を感じることができるTruSurround XTのオン・オフの切り替え、デジタル出力のCDコンパチビリティモード(正確にバイナリ一致ができるモード?)の切り替えが可能。
それだけです。


気になる音質はというと、『普通』です。
ノイズは無いのですが、出音に全くおもしろみがないです。解像度が足りない気がします。
あと、sonicaのアナログ出力は「ライン出力」であって『ヘッドホン出力ではない』ので、ヘッドホンを繋ぐとインピーダンスの不一致でかなり音割れしてしまいます。ですのでヘッドホンを使いたい場合は別途にヘッドホンアンプを用意してやる必要がございます。

持ち運び可能なサイズのクセしてヘッドホンの直刺しが出来ないので、正直、どういった用途で使うものなのか理解に苦しみます。
考えられる使い方としては、『リビングにホームシアター設備があるけど、PCは置いてない。PCの中のサウンドファイルなりムービーをホームシアターで聞きたい。ノートPCは持っているけど、このノートのオンボードサウンドはクソ。どうしよう…… → そうだね!sonicaがあるね!!』的なものでしょうか。


さて、この今イチ使い勝手の悪いsonicaを改善した製品があります。


それが、AudioTrakの『OPTOPlay』です。

OPTOPlayもsonica同様、24bit 96KHz対応のUSBオーディオデバイスです。
というか、基幹のDACとUSBオーディオコントローラが同じですw



オーディオコントローラのTAS1020BとDACのAK4353VF。

sonicaと異なる点は、
・コンデンサが耐久性に優れる個体コンデンサ
・ヘッドホンアンプとしてAB級動作のMS6308を搭載 (最大 2×60mW出力可能)
・アナログ出力と光デジタル出力が兼用(よくMDに採用されているやつです)
の3点です。たぶん。

ちなみに2005年の7月に秋葉原のアークにて2980円で大量にバルク品が売られていました。(確保)

音質はそこらのオンボード以上、1万円クラスのサウンドカード未満といったところでしょうか。
ノイズはありませんが、やはり何か物足りない気がします。
ドライバはOS標準のUSBオーディオクラスドライバを利用。

ヘッドホンが直刺し出来るのでノートPCでは便利だと思います。
持ち運びが「楽に」出来て、そこそこの音質のサウンドユニットってあまり無いのですよ。
Xmodはヘッドホン出力が残念らしいですし、PCカードタイプのECHO Indigoは2万円オーバーで手が出せない。
Audigy 2 ZS Notebookなら最近6000円で落札されてました。(買っておけば良かったです)

※PCからデジタルで出力させてポータブルMDプレーヤーをDACとして使う方法もあるにはあります。

OPTOPlayは中古でも割と見るので(リアル店舗、ヤフオク共に)、そこそこの音質で妥協できる人なら買ってみるといいかも知れませんね。

このサイトはsonicaを使いそうもないmontaがお送りしております。
Filed under: Audio & Visual,PC,日記 — monta @ 23:59